筏基礎(いかだきそ)

丸太を筏のように縦横に敷き並べて、地盤改良した伝統的な基礎のこと 。

 泥地のようにN値がゼロといった、きわめて軟弱な地盤に使用された。ただし、これが筏基礎という定番の形式は存在せずに、下の図のようにの下だけに松丸太を敷き並べても筏基礎と呼ぶようで、構造設計にのらないため、現在では使われることはない。
 原理的にはベタ基礎の一種である。

行き会い継ぎ(いきあいつぎ)

木材の継手のつくりかたで、木のと末をつなぐ方法である。

 木材は製材された後でも、根と枝の性質がのこる。根のほうをといい枝のほうを末という。通常は順に末→元と繋いでいく送り継ぎにするが、行き会い継ぎは送り継ぎにできないときに採用される次善策である。
 と元とつなぐのは、別れ継ぎといって嫌われる。

生き節(いきぶし)

養分が通って、周囲の木材質と一体化していたで、削れば艶がでる。また、節の文様も美しい。

 節とは枝を支える基礎のようなもので、立木の幹のなかへと枝の延長部分が伸びている。大風で折れたり、何らかの事情で枝が枯れると、節も死んで死に節となる。しかし、枝が生きている限り、それに対応する節も生きている。

 若木のうちに、人工的に枝打ちをしてやると、樹木が生長して枝の後を覆っていく。そのため、下の図のAのように、枝打ちした後でも、節はのこって木材の一部となる。

 枝打ちしてしまえば、節は外からは見えなくなる。しかし、内部には残っているから、製材したときに生き節として表れてくる。
 
反対語=死に節

囲繞地(いぎょうち・しにょうち)

民法上の規定で、袋地を取り囲んでいる土地のこと。地役権とは違う概念である。

 まったく道路に通じない土地を袋地といい、公道に至るために、袋地を取り囲んでいる囲繞地を通ることができると、民法210条に定められている。

 袋地の所有者は囲繞地の所有者に、下の図の空色のように、必要最小限の通行権を主張できる。ただし、通行料を支払わなければならない。

 囲繞地通行権の対象になるのは、建築基準法接道(義務)を満たすほどの幅員ではなく、人が通れる90センチ程度の小道である場合が多い。

 分筆によって袋地が生じた場合には、分筆前の土地にたいしてのみ、無償で囲繞地通行権を主張できる。

イギリス積み

レンガの積み方で、長手方向だけを見せる段と小口方向だけを見せる段と、一段おきに積む方式。

 目地を揃えてしまうと、目地の部分から崩壊し てしまうので、目地を揃えないように様々な積み方が工夫された。タ イル化粧材なので構造には関係ないが、タイルをを張る場合には、模様の一部として目地のあり方が問題にされる。しかし、別種のタイルを貼り分けるのは、手間がかかるので最近は見なくなった。

藺草(いぐさ)

湿地や浅い水中に生える植物で、地下茎が発達しており泥に根を下ろす。藺草の茎を、の表やゴザに利用している。畳表に使用するものは、人工的に栽培している。

 藺草は高さが1~1.5メートルくらいになり、畳表にするには長いものを良しとし、畳では藺草の本数が多いものを良品とする。断面が円筒形で芯が柔らかいので、弾力や吸湿作用がある。

異形鉄筋(いけいてっきん)

鉄筋コンクリートの付着をよくするために、丸鋼の表面に凸凹をつけた鉄筋。異形筋とも呼ぶ。ただし、両材間の付着力は素材によって決まっており、見かけ上の付着力が増すだけである。

 異形鉄筋を使うと、継手をU字型に加工しなくても済むため、現在では丸鋼は使われずに、ほとんどが異形鉄筋を使っている。丸鋼の太さは φ で表すが、異形鉄筋は d であらわし、d 16 とか d 25 とあらわす。

生け垣(いけがき)

自己の敷地道路や他人の土地と区画するために、に代わって植物を列になるように植えて、家と道路や家と家の境とするもの。垣根とも言う。

 生け垣は敷地の内側に設けるのが原則だが、樹木が生育すると敷地外にでることが多い。
 外部からの侵入を拒む機能は弱く、敷地の中が伺えるほどの高さであることが多い。地域によっては、農作物を害虫から守るために、植栽が禁止されている樹木がある。

石垣(いしがき)

石を積み上げた擁壁のこと。

 石を積むだけでは崩れてしまうので、石と石との合端をあわせて、裏込めを充填して積み上げた。お城の石垣などで、上部が反り返っているのを武者返しという。

 裏込めと石だけで積み上げる空積みと、石と石のあいだにコンクリートモルタルなどを充填する練積みがある。石垣を積むには技術が必要であったが、なかでも空積みは特殊な技術が必要だった。

参考=間知石法面

石目(いしめ)

① 石の模様や節理など、石の割れ目のことをいう。

② クロスクッションフロアーなど、石の模様を写したものを石目模様とか、石目という。
 下の写真は、石目のクッションフロアーである。

いじめる

二つの部材が互いに干渉して納まらないとき、片方の部材を欠き取るなどして、完全な状態ではなくすること。片方の部材をいじめることによって、無理やりに納めてしまうこと。

 たとえば、下図のようにナットが当たるとき、円弧の部分を欠き取ることを、<いじめる>という。現場では良く聞く言葉である。同じ職種の人が施工した部分をいじめるのは問題がないが、他の職人が施工した部分をいじめると、後日になって問題が起きかねない。

参考=殺す)

意匠(図)(いしょず)

意匠とはデザインのことだが、建築では建物の間取りや外観の設計を意味することが多い。建物や室内の見え方のことである。
 形や色といったデザインに限らず、法規との整合性の調整やコスト管理、また構造や設備との調整など、仕様の決定から材料の選定まで意匠に含めることがある。

 建築主と対応する設計者は、意匠設計者のみであり、現場では意匠屋と呼ばれ、設計全体をまとめる役割を担っている。また、設計図書から構造設計図設備設計図を除いたすべての図面を、意匠図と呼ぶ。

1.共通仕様書(仕様書
2.仕様概要表(
3.仕上表
4.面積表・敷地案内図
5.配置図(1階平面図と兼ねる場合もあります)
6.平面図(各階)
7.立面図(各面)
8.断面図(木造の場合は矩計図が兼ねる)
9.矩計図(かなばかりず)
10.基礎伏図・床伏図(各階)・小屋伏図
11.天井伏図
12.展開図
13.建具

椅子(いす)

腰掛けるための家具。

 座面と脚でできており、背もたれのついた形式もある。洋風の生活が普及したので、敷きの部屋が少なくなった。そのため、ほぼすべての部屋に椅子が必要になった。

 椅子はテーブルや机と組み合わされて使用されるが、座面とテーブルなどの甲板との高さの差、つまり差尺の大小によって快適さが変わってくる。

 フローリングの床の場合は、脚の下に滑りテープを貼ると、楽に椅子を動かすことができ、また床に傷がつきにくい。

伊豆石(いすいし)

伊豆石は軟質で、伊豆御影石・伊豆青石・沢田石などと呼ばれ、耐火性に優れ、軟らかいため加工がしやすい。

 建築で使用される伊豆石は、主として伊豆青石で、水を掛けると美しい青色にかわる。そのため、浴室に使われてきた。150×300程度の切石として使用されることが多い。和風の仕上がりになる。
参考=伊豆市

イスカ

鳥の名前から転じて、鳥がくちばしを広げたような形のことをいう。建築では下記のように、形が似ている状態に対して使われている。

 ①遣り方の上部を、<いすか>に切っておくと、上部から力が加えられると捲れ上がるので、杭が動いたかどうかわかる。矢筈(やはず)に切っても同じ効果がある。

 ②両方からくちばしを咬み合わせるようにした、細長い木材のつなぎ方。なお、全面が斜めの継ぎ目になる、隅いすかは化粧になる場合に用いる。いすか継ぎは、天井竿縁(さおぶち)などに用いられたが、最近では手間が高くなったので長い材料を用いて、継手を作らないことが多い。

板ガラス(いたがらす)

板状のガラスのこと。

 ガラスブロックのように塊ではなく、板状になったガラスを一般に板ガラスと呼ぶ。
 ガラス素材を溶けたスズの浴槽に流してつくったフロートガラスが、板ガラスの代表である。また、透明な板ガラスを素材として、不透明にした摺りガラスなどもある。

 ガラスの片面に小さな凹凸をつけたものは、型板ガラスとか型ガラスと呼ぶ。
 
 板ガラスを木製建具に立て込むときには、溝と隙間のないようにしないと、カタカタと音がする。

板床(いたどこ)

① 畳を敷いた床の間ではなく、板張りとした床の間。板敷きの上に薄縁を敷いた床の間も、板床と呼ぶことがある。ただし、薄縁が固定されていれば薄縁床である。
 床の間には様々な形があるが、板床は床の間の床仕上げに着目した名称である。畳を敷いた床の間は畳床(たたみどこ)という。

② 畳の芯として、藁やスタイロ フォームだけではなく、四隅に板を入れた畳。畳の角をキチッとだすために板を入れた。

板の間(いたのま)

板敷の部屋のこと。

 かつての住宅は敷きの部屋が多く、まれに板敷きの部屋があり、畳の間に対してこれを板の間といった。

 現在では畳敷きの部屋は激減しており、板敷きの部屋がほとんどだが、これらは洋風仕立てであるため板の間とはいわない。
 現在の板敷きの部屋は、フローリング張りとか仕上げといい、板の間は和風仕上げの部屋に対して言うことが多い。

板目(いため)

木材を縦方向に切断したときにでる木目のうち、水面に墨を流したような不規則で乱な文様、または文様がでた板や柱の面のこと。

 一枚の板に板目部分と柾目部分が混在することもある。として使用される芯持材は、すべて板目になり、芯去材柾目になることが多い。
 板材は製材の仕方によって、板目にも柾目にもなるが、一般に板目材の方が狂いやすい。また、板目の板は、木表のほうへ反りやすいが、長さは縮みにくい傾向がある。

1号柱(いちごうちゅう)

道路を上をはしる電線から、敷地への受電のために設ける外線引込みのための鉄もしくはコンクリート柱。受電のための電柱で、敷地内ではじめての電柱であるので、1号柱と呼ばれる。

 1号柱の設置工事は建築主の負担だが、道路上の電線から1号柱までの配線工事は、電力会社の工事範囲である。
 積算電力計外壁につけて、直接に電気を引くほうが工事費は安い。建物が道路境界から離れている場合などに使用する。1号柱で受けたあとは、電線を地中埋設とすることが多い。

位置指定道路(いちしていどうろ)

住宅などを建築するための敷地は、2メートル以上の接道義務があるが、敷地に接する道路がない場合、建築基準法による「道路位置指定」の申請書を提出して、道路としての認定を受ける。
 道路位置指定を受けると、道路として扱われて建築が可能になる。道路位置指定を受けた道路を、位置指定道路という。
その要件は、
1.幅員が4m以上であること
2.道路形態・道路境界が明確であること
3.原則として通り抜け道路であること。行き止まり道路である場合はその延長が35m未満であること。
である。 

 位置指定道路は、道路法により定められた公道ではなく、建築基準法(第42条第1項5号)に定義された道路であり、あくまで私有である。そのため、近隣住民の共有であったりして、複雑な問題をはらみやすい。また、新たに位置指定を受けるには、道路造成が必要だったり、共有者全員の印鑑証明が必要であるなど、厳しい条件がある。

市場(いちば)

多くの人が定期的に集まって商いをする場所のことだが、建築では建築資材をあつかう市場のことをいう。

 市場で取引をするには、材木屋など固有の資格が必要で、誰でも取引に参加できるわけではない。そのため、資格のない大工は材木屋をとおして、市場で建材を購入していた。

 最近ではアウトレット感覚の市場も誕生し、プロと素人の垣根が崩れつつあり、建築業者はもちろん、建築主も資材を買うことができる。

一番玉(いちばんだま)

立木を伐採して玉切ったときに、最も根本に近い部分を、一番玉という。また、元玉ともいう。

 上にいくにしたがって、順に二番玉、三番玉と呼ばれる。通常、一番玉が最も良い材料がとれると言われている。通常、の長さは10尺(=3メートル)が定尺となっているので、長い木材からは何本かの柱がとれる。

一枚鉋(いちまいかんな)

昔は鉋(カンナ)の刃は一枚が普通だったが、明治になって逆目を止めるのに有効な裏金の入った二枚刃の二枚鉋が登場し、鉋と言えば二枚鉋をさすようになった。その後、二枚鉋と区別するため、一枚鉋というようになった。

 下の写真の一番手前の鉋のように、刃は一枚だけで、逆目をとめる裏金がない。当然に裏金をとめる鉄の棒もない。仕立てが違うだけで、裏金がある以外は同じである。
 一枚鉋は軽く引けて、仕上がり面も美しい。しかし、台の口が小さくないと、逆目になりやすい。口が広くなったら、しばしば台を作り替えなければならない。また、2寸以上の幅広鉋は、一枚でないと重くて引ききれないことが多い。

市松(模様)(いちまつもよう)

色違いの四角い模様が、対角線状に連続したデザイン。市松格子とも言う。強い印象の模様で、紙の模様として使われることが多い。
 
 江戸歌舞伎で、白と紺の正方形を交互に配した模様の袴をはいた佐野川市松の名前からきたが、古今東西で多くの類似模様がある。

一文字(葺き)(いちもんじぶき)

① 先を一文字軒瓦で葺いた屋根のこと、もしくはその葺き方。
 数寄屋造りなどで、屋根を軽く見せたときに使われる瓦で、合端合せ(あいばあわせ=瓦と瓦のぶつかる面を垂直にすりあわせること)と下端を一直線に施工しなければならないので、高度な施工技術が必要である。
 流れ尻から1メートルくらいを銅板で葺き、それから上を一文字葺きとすることもある。

② 0.25~0.3ミリ程度の銅板などを、横長に繋いでいく葺き方で、一枚一枚の銅板を馳(はぜ)で連結し、吊り子によって屋根に固定している。

一級建築士(いっきゅうけんちくし)

建築の設計監理にかんする最高にして万能の資格だったが、耐震偽装事件を切っかけにして、構造設計一級建築士と設備設計一級建築士が新設された。そのため、最高でもなく万能でもなくなってしまた。
 
 ある規模以上の建物は、一級建築士の資格に加えて、構造の設計監理に関しては構造設計一級建築士の資格が、設備の設計監理に関しては設備設計一級建築士の資格が必要になった。いずれも一級建築士取得後、あらためて試験を受けなければ資格が取れない。

 一級建築士を受験するには、建築関係の大学を卒業後、2年の実務経験が必要である。一級建築士の資格については、俗に足の裏のご飯粒と言われている。一級建築士の資格を取っても食えないし、取らないと(設計業界で生きて行くには)気持ちが悪い、という意味である。

一酸化炭素(いっさんかたんそ)

普通の状態では、無色・無味・無臭・可燃性の気体。

 有機物が燃焼すると、ふつうは二酸化炭素が発生するが、酸素が不十分だと不完全燃焼をおこし、一酸化炭素が発生する。

 一酸化炭素は強い毒性があり、密閉した部屋で開放型の暖房器具などをつかうと、中毒になりやすい。浴室での中毒もあったが、バランス釜となってからは中毒はなくなった。

 都市ガスには一酸化炭素は含まれていないので、ガス漏れによる中毒もないし、ガス自殺はできなくなった。

一種高度(いっしゅこうど)第一種高度地区(だいいっしゅこうどちく)

隣地斜線制限のない一低層二低層用途地域でかかることが多い高度地区で、もっとも厳しい規制である。

 隣地境界線上で5メートル立ち上がって、6/10の勾配で囲まれる下の部分が、建築可能な空間である。北側斜線という。

 絶対高さ制限もかかることが多く、10メートルの高さ制限がかかると、下の図の空色の部分が建築可能な空間となる。

一種住居(いっしゅじゅうきょ)

都市計画法の9条に定める用途地域の一種である。

 第一種住居地域が正確な表記だが、一種住居と省略して言われるほうが圧倒的に多い。一低層一中高などが住居専用の地域だったのに対して、住宅以外の建物も建築が可能な地域である。
 
 共同住宅をはじめとする住宅系建物や、3000㎡以下の店舗、事務所、ホテル、遊戯施設などが建築可能である。

 建坪率は50、60、80%のいずれか、容積率は100、150、200、300、400、500%のいずれかに制限されている。
 隣地斜線制限道路斜線制限がかかり、、北側斜線は適用されない。ただし、日影(規制)がかかる地域では、10メートルを超えると規制がかかる。

一側足場(いっそくあしば)(ひとかわあしば)

1本の支柱にブラケットという腕木をだし、その上に歩み板をならべたもの。

 狭い場所に使う足場で、2本の支柱のあいだに歩み板をならべると、二側足場になる。

 足場の形式を言う言葉であり、丸太をつかえば一側の丸太足場となり、単管をつかえば、一側の単管足場になる。

 <ひとかわあしば>と読むのが正しいらしいが、<いっそくあしば>といわれるほうが多い。

参考:抱き足場単管足場ビデ足場本足場楔足場

一中高(第一種中高層住居専用地域)(いっちゅうこう)

都市計画法の9条に定める用途地域の一種である。

 第一種中高層住居専用地域が正確な表記だが、一中高と省略して言われるほうが圧倒的に多い。一低層、二低層についで規制が厳しい地域である。
 
 原則として住宅系建物しか建築できない。兼用住宅にあっては、非住宅の部分が50㎡以下で、かつ延床面積の1/2以下でなければならない。
 店舗には用途規制があり、2階建ての500㎡以下でなければならない。

 建坪率は30、40、50、60%のいずれか、容積率は100、150、200、300、400、500%のいずれかに制限されている。
 絶対高さ制限はないが、、北側斜線制限、隣地斜線制限道路斜線制限のすべてがかかる。ただし、日影(規制)がかかる地域では、北側斜線は適用されない。

一低層(第一種低層住居専用地域)(いっていそう)

都市計画法の9条に定める用途地域の一種である。

 第一種低層住居専用地域が正確な表記だが、一低層と省略して言われるほうが圧倒的に多い。
 
 原則として2階建てまでの住宅系建物しか建築できない。兼用住宅にあっては、非住宅の部分が50㎡以下で、かつ延床面積の1/2以下でなければならない。
 1階を店舗にして2階を住宅にする場合は、総二階であっても階段部分が住宅専用であれば、住宅部分が1/2を超えるので可能である。

 建坪率は30、40、50、60%のいずれか、容積率は50、60、80、100、150、200%のいずれかに制限されている。
 絶対高さ制限があるので、隣地斜線制限は適用されないが、北側斜線は適用される。また、軒高が7メートルを超えると、日影(規制)がかかってくることが多い。

行って来い

① 長い部材をおさめるとき、一度、送りだしてから引き戻して、所定の位置に納めること。
 
 たとえば、鴨居追(大)入れ仕口で取りつける場合、反対側の掘り込みに差し込んだ後、引き戻して完成状態とする仕事などをいう。

② 廻り階段のことを大工たちは<行って来い>という。

一発(仕上げ)(いっぱつしあげ)

一発とは、下地の調整などをした後で、失敗することを考えずに仕上げにいどむこと。逃げのない仕事である。

 たとえば、ボンドのような乾燥の遅い接着剤であれば、ずれても貼った直後であれば貼り直しがきく。しかし、速乾(接着剤)では貼り直しがきかないので、一発勝負になる。
 一発勝負ほど厳密ではないが、中塗りなどの調整を省いたり、下削りなどを省いて、仕上げをすることを一発仕上げという。

一本足場(いっぽんあしば)

足場において、単管丸太などを建地として、 一本だけ立てるもっとも簡単な形式。

 一本の建地の両側に単管や丸太を取りつけた抱き足場も一本足場だし、道板ブラケットで取りつけたのも一本足場である。最近では安全上の理由で採用されなくなっている。
参考=楔足場抱き足場単管足場ビデ足場本足場

一本拾い(いっぽんひろい)

工事費を積算する場合に、材工共(ざいこうとも)の複合単価や平米単価を使わずに、使う材料の1本1本の等級などを考えながら、細かく拾い出すこと。

 見積りが受注をにらんだ金額で、競争相手や支払い条件などを含んだ金額であるのに対して、1本拾いは純粋な工事原価をだすために使われる。見積のもとになるものである。 

 1本拾いを行うには、材料や手間などの値段をよく知った熟練を要する。そのうえ時間がかかるので、毎回行われているわけではない。しかし、物価が上下しているときなどは、1本拾いをしておくと、その後の対応が楽である。

いてる

凍ること。

 やタイルなどの内部に、浸透した水分が凍って、表面から剥がれるように割れること。
 内部へと浸透性のあるものや、細かいヒビなどが入っていると、そこから水分が侵入した後、外気が下がって水分が氷ると膨張してその材を壊すことがある。天然の合せ砥もヒビから研ぎ残しの水がはいって、<いてる>ことがあるので室内で保管したほうが良い。
 打設直後のコンクリートは氷ることがあるが、この場合は<いてる>とは言わないようである。

類語:凍害

糸裏(いとうら)

鉋(カンナ)の刃の表を見たとき、刃の先端の光っている部分が、糸のように細いこと。下の図くらいの幅では糸裏とは呼べない。

 裏押しをした直後は、1~2ミリの幅があった部分が、鉋の刃を研いでくると研ぎ減ってこの部分が少なくなっていく。裏切れする直前には、糸のように細くなるが、その様を言ったもの。
 (のみ)はベタ裏がよく、鉋は細い糸裏が良いとされる。

糸尺(いとじゃく)

複雑な形をした表面を測るとき、凸凹の表面なりに水糸をそわせ、糸の長さから長さや面積を測りだすこと。
 塗装工事や左官工事で、壁などの面積を求める場合などに応用される。

 凸凹のある曲線部分は、物差しを精確に当てることができないし、昔はコンベックスや自由にしなるビニール製のテープなどなかったので、凹凸部は糸を用いて計るほかなかった。その名残である。

糸巻き(いとまき)

細かい造作仕事などを行うとき、糸は部材に跡が付かないので、細い糸をガイドに使うことが多い。そのため、上仕事を手がける大工は、糸巻きに特化した道具を持っている。

 下の写真は筆者が現役時代に使っていた糸巻きである。最近では、プラスチック製のものが市販されている。

糸柾(いとまさ)

柾目のうちでも、細い木目がとくに平行に表れているものを、糸柾とよんで素直な表情を愛好している。

 木材の表情には、板目、柾目、とあるが、柾目に製材したものは、反ったり暴れたりすることが少ない。なかでも糸征はほとんど狂わないとされるので、双葉定規などを作るのに最適である。
 糸征というのはなどの針葉樹を対象にして言い、などの広葉樹に対してはあまり聞かない。

糸面(いとめん)

隅角部にとる面(取り)のうちでも、きわめて細い面のことで、鉋を1~2回通す程度の面のこと。

 にかぎらず化粧で使う角材は、面を取るのを原則とする。面の大きさは、部材の太さなどを勘案して決めるが、面幅が狭いと厳格な感じになり、広いと優しい感じになる。
 糸面は柱などよりも、手が触れると危険な場合など、小さな部材に取られることが多い。

田舎間(いなかま)江戸間(えどま)関東間(かんとうま)

柱割りによって柱と柱の間隔を、柱の芯芯で6尺(1.82メートル)もしくは2メートルのグリッドをつかった建物を関東間の部屋という。田舎間とか江戸間ともいう。

 柱の面に畳寄せがそろって柱間に畳が入るので、部屋の広さによって畳の大きさが少し違うことになる。
 それに対して、京畳(3.15×6.3尺)を基準にして、畳の外側に柱を建てる設計を京間と呼ぶ。京間では畳の大きさが同じになる。
 
 6尺グリッドの間取りだと廊下の幅が狭くなり、車椅子の通行に支障がでるので、最近は2メートルのグリッドを使うことが多くなった。

稲子(いなご)

真物の幅広天井板を使うと、湿度の変化に応じて伸縮したり暴れたりする。重ねた部分が反ったりしないように、2材を連結するための小さな木(竹)を稲子という。

 稲子は片方の板にだけ固定されて、相手方の板は上から押さえているだけなので、幅が伸縮しても外れることがない。稲子をつかった場合、錐で一回り大きな穴をあけた上で、天井板を釘打ち固定しないと、釘の部分から板割れする。
 天井板の両方に細工をしたものを本稲子、片方に接着したものを付け稲子といい、金物をつかった場合は金物稲子と言った。

 ベニヤの貼り物やプリントの天井板が、主流になってしまったので、板の伸縮を考慮する必要がなくなり、稲子をつかう仕事は絶滅した。

稲妻筋(いなずまきん)

鉄筋コンクリート製の階段を造るとき、階段の段をつないで配される鉄筋で、稲妻のようにギザギザしているから付けられた名前。折曲げ筋ともいう。
 
 稲妻筋は階段スラブのなかに配筋され、上下階を繋ぎながら階段の段を形作る芯になるものである。階段の片側もしくは両側に壁があると、壁からの鉄筋とからむが、構造的には上下で連続している。

詳細は、設計図書による。

稲妻釘(いなずまくぎ)

脇の天井に銅鑼や喚鐘を釣るための釘。床の間に軸物などを吊すための、下の写真のような二重に折れ曲がった化粧釘を稲妻釘という。

 銅鑼は前から奥へ掛けるので、稲妻釘は床脇天井の真中に口を前にして打つ。大きさに、大、中、小があり、捻子式もある。茶席で使用し、通常の住宅では使用しない。
参考=無双

稲田(石)(いなだいし)

稲田とは茨城県笠間市稲田のことだが、建築で稲田と言ったときには、花崗岩の一種である稲田で産出する白い御影石のことをいう。

 色調のそろった白い石が大量にとれるので、大規模な建築にも使われている。硬い石なので、叩き仕上げから本磨きまで様々な表面仕上げが可能である。

 石英、長石、黒雲母の3つの鉱物により構成されており、稲田花崗岩の構成比は、石英が33.7%長石が62.4%黒雲母が3.8%その他が0.1%である。

猪の目(いのめ)

ハート型の模様のこと。

 形がイノシシの目に似ていることから、猪の目と言われるようになった。社寺建築などでは、各部の装飾模様に使われている。

 刳り抜き(=切り抜き)模様として使われることが多い。

犬走り(いぬはしり)

幅に対して長さが長い空き地を、一般に犬走りという。

 住宅建築では、外壁下の基礎に接して設けられた、地盤よりも一段高くなったコンクリート製の部分で、掃き出し(窓)の前などに設けられる。
 多くは軒内雨落ちと基礎のあいだに設けられ、雨のハネを受けたりする。洋風建築では設けないことも多い。

犬矢来(いぬやらい)駒寄せ(こまよせ)

雨の跳ね返りや、犬の小便から家の外壁を保護するための竹製の工作物で、駒寄せともいう。

 竹製が多いが、ステンレス製などもある。現場に合わせて製作するのが基本だが、既製品もある。京都の町屋に多く見られた。簡単に脱着できるものが多い。

茨目(いばらめ)

鋸(のこぎり)の刃の形のこと。

 鋸には繊維に沿って引き切る縦引き用の刃と、繊維に直角に切る横引き用の刃がある。それに加えて、下の図のような斜めに切る茨目がある。

 横引き用の刃は、上目をヤスリですって斜めにしているが、茨目は上目をすっておらず尖っている。曲線を切る廻し挽きが茨目をつけている。

違反建築(いはんけんちく)

法律の規定に違反している建築物のことだが、どの法律に違反しているのかは定かではない。

 敷地の外部にまで 影響がでる集団規定に関しては、違反には慎重で あるべきである。しかし、建築基準法単体規定にかぎって言えば、完全に守ることに必ずしも意味があるとは限らない。 
 たとえば、手摺りの高さは1.1メートル以上と126条で法定されている。しかし、住宅の手摺りとしては高すぎるように感じる。空間の納まりや使い勝手を勘案して、建築主と相談の上で、これを1メートルにしても良いのではないか。

いぶし瓦(いぶしかわら)

陶器などと同様に、粘土を練って焼き上げた屋根葺き材料である。
 いぶし瓦は、焼成の最終工程で、粘土素地に炭化水素を含むガスを接触させて、炭素膜を素地表面に形成したもの。

 いぶし瓦はいてるという欠点があったが、最近ではそれも克服されてきた。典型的な和風建築に使用され、役(曲)物も豊富で重厚な感じをだす。

イーヴス・ベンツ

屋根裏の換気を取るため、吸気側に設ける換気部材。排気は側でおこなう。

 蜂の巣のように小さな穴をもったプラスティック製品で、同時に防雨対策にもなるので、軒の出が少ないときには有効である。特に狭小地域・軒ゼロタイプの小屋裏換気には、目出たずに換気量を確保できる。ビス等で止めるだけなので、施工も簡単である。

イボタ

落葉する2メートル内外の広葉樹で、この樹皮に寄生するする虫をイボタムシとかイボタロウムシという。

 イボタムシはイボタガ科のガ。翅(はね)を開くと8~12センチくらいになる。黒褐色で多数の波状紋がある。早春現れる。幼虫は蝋を分泌する。

 建築でイボタといった場合は、イボタムシからとった蝋のことで、蝋を固めて直方体にしたもの。この蝋を敷居の溝に塗って滑り剤としたり、艶出しに利用した。ロウソクよりベタべつきが少ない。

居間(いま)茶の間(ちゃのま)

住宅のなかで唯一ほかの建築では代替できない空間もしくは部屋で、家族が団欒を取るための場所。厨房に接して設けられることが多い。

 かつては茶の間といわれたが、洋式の生活が普及するにつれ居間と言われるようになった。そのため、茶の間が敷きの和室であることが多いのにたいして、居間は洋間であることが多い。
 リビング・ルームともいう。

芋継ぎ(いもつぎ)

2つの部材を平滑に仕上げただけで、ドン付けで接合すること、もしくは接合方法。

 芋継ぎは手抜き仕事のようだが、芋継ぎできちんと仕上げるのは、きわめて難しく高度な技術が要求される。
 木材のように伸縮する材料であれば、後日の収縮により継いだ部分に隙間ができやすい。本実にしたほうが結局は早いことが多い。

参考=合い釘雇い実

鋳物(いもの)

溶かした金属を型に流し込み、冷えて固まった後、型から取り出して作った金属製品のこと。

 鋳物は型の成形が容易であり、簡単な技術で可能なため、昔から世界各地で造られてきた。
 Cast Metal という。琺瑯(ほーろー)の芯材にしたり、鉄鍋、ベンチなどといった日常品から、エンジンの部品まで使われている。

芋目地(いもめじ)

タイルや石などを貼るとき、縦横ともに直線に仕上げた、下の図のような目地のこと。

 芋目地はキチッとした感じを与える。それに対して、一方の通りだけをズラして、片方の目地が通らないようにしたものを、馬目地とか破れ目地という。
 正方形の石などの目地を45°に回転させたものは、四半目地という。
 レンガのように積み上げるものは、芋目地にできない。

違約金(いやくきん)

債務(不履行)があったときに、債務者が債権者に支払うことを、事前に約束したお金。民法420条に規定されている。

 契約を破った場合に、いつでも違約金が発生するわけではなく、損害賠償を請求するのが普通である。しかし、債権者が損害の発生を立証しなければならない。

 違約金は賠償額の予定と推定されるので、事前に違約金を取り決めておけば、損害の発生を立証することなく違約金を請求できる。

甍(いらか)

① 広い意味ではのことをさし、甍の波といえば、瓦屋根のつづく風景である。

② 建築では葺きの屋根において、につまれる瓦の装飾のことで、下の写真の熨斗(瓦)に挟まれた丸い瓦、もしくはその部分のことである。社寺建築や農家など、重厚な日本建築に使用される。

入り側(いりかわ)

和室の南側にまわす廊下状の空間で、部屋からいきなり外部とはせずに、外部との緩衝空間である。縁側と同じような働きをつが、外部扱いとなる濡れ縁とは異なり、あくまで室内である。
 
 1.5メートル程度の幅があり、室内側を畳敷きにして、外部側を板敷きにしたりすることも多い。下の写真の障子とガラス戸のあいだの部分。

入り隅(いりすみ)

2つの部材が取り合って、窪みのようになった部分。または2面が取りあっている内側のこと。
 
 入り隅は直線部分に比べると、施工に注意が必要で、どちら側を勝たせるかで見え掛かりが異なる場合がある。また、木材を組んだときの入り隅側は、乾燥によって収縮すると隙間ができやすい。

 下の図は入り隅と出隅への、断熱材の入れ方の違いを示す。
反対語=出隅

入幅木(いりはばき)

通常、幅木は壁面より5ミリ程度出して納めるが、壁面より引っ込めて仕上げた幅木を、入幅木という。

 幅木の高さは、高いほうがゴツク、低いほうが柔らく見える。引っ込め方も同様で、引っ込めた段差の少ないほうが柔らかく見える。通常の幅木より、入幅木は壁の足元をスッキリと見せる効果がある。

 入幅木にたいして、通常の幅木を出幅木と言うことがある。

入母屋(いりもや)

屋根の形の一種で、切り妻寄せ棟が合体したような形をしている。

 お城や社寺建築で使われ、古くからの和風建築では高級な屋 根とされた。で葺く場合が多いが、コロニアル葺きの入母屋も軽い感じで風情がある。切り妻屋根と違って、複雑な屋根形状になるので、瓦を葺くのが大変に難しくなる。
 一般に重厚なイメージがあるが、重厚さは入母屋形式が決めるのでは なく、屋根勾配と屋根葺き材によって決まる。また、入母 屋屋根では起り(むくり)や反りといった 曲面が使われることが多いので、施工が難しくなっている。屋 (矢)切小平が取りあう部分の雨仕舞いに注意が必要である。

入れ子(いれこ)

同じ形で、大きさの異なる容器などを、順に中に入れたもの。重箱や杯などの入れ子細工をいう。
 同型のスッタキングできるものは入れ子とは言わずに、相似形にできたもので一番大きなものに納まってしまうものをいう。

 額縁の内側に、同じ形の額縁をまわすことを、入れ子になっているという。

色温度(いろおんど

ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)である。単位には熱力学的温度のK(ケルビン)を用いる。
 理想的な黒体を想定すると、ある温度において黒体が放射する光の波長の分布を導き出すことができる。温度が低い時は暗いオレンジ色であり、温度が高くなるにつれて黄色みを帯びた白になり、さらに高くなると青みがかった白に近くなる。このように、白という色を黒体の温度で表現することができるのであり、この温度を色温度と呼ぶ。
 朝日や夕日の色温度はおおむね 2000 K であり、普通の太陽光線は 5000~6000 K である。澄み切った高原の空の正午の太陽の光はおおよそ 6500 K といわれる。<ウィキペディアから>

色見本(帳)(いろみほんちょう)

塗装工事には色がつきもので、施工に着手する前に決めておく必要があるが、そん時に使うものが色見本である。多くは下の写真のように帯状のつづりになっている。

 色決めは色見本をつかって、試しの色を調合してもらうことから始まる。色見本帳から3色程度をえらび、大きな塗り見本を作ってもらい、それをもとに決定する。見本帳の小さなチップでは広い面積に塗ったときと、印象は大きく異なるので、必ず塗り見本で決定する必要がある。
 下の写真は、日本塗料工業会のもので、もっとも多く使われている。

囲炉裏(いろり)

屋内の床の中央にもうける暖房や調理のための設備。

 農家や民家などの床を正方形に切り欠いて、灰を敷きつめた上で薪をもやして暖をとった。また、灰の上には五徳をすえ、その上部には自在鉤をつるし、鍋などをかけて調理にも用いた。また、串に刺した食品を、灰に立てて焼いたりもした。

 囲炉裏で裸火をつかったので、小屋裏までたっした煙が、屋根材であるなどに虫が住みつくのをふせぐ効果があった。 

参考=薪ストーブ暖炉

印鑑証明書(いんかんしょうめいしょ

区役所や市役所、もしくは登記所に自分の印鑑を登録した後、その登録した印鑑と相違ないと登録機関が証明した書類。

 建物が完成し引渡されるときに、請負者から建築主へと手渡される。このときには、引渡証明書、資格証明書、印鑑証明書が一セットとして手渡される。
 上記のセットは、注文者によって表題登記がなされるときの必携書類である。

 請負者が個人の時には、区役所や市役所に登録された個人の印鑑証明書が、法人の時には登記所に登録された代表者の印鑑証明書が使われる。

インサート(金物)(かなもの)

コンクリート打設前に型枠に取付ける金物で、部材の内部にネジがきってある。型枠を外した後、配管類やダクトを支持する吊りボルトをねじ込んで使用する。
 コンクリートのスラブ下に使うものなので、木造住宅ではあまり使わない。取りつける位置は出しをして、正確に決めたい。
 参考=後打ちアンカー

インシュレーション・ボード

廃棄された木材チップなどを、高温高圧で蒸してほぐした繊維を成型したもの。

 木材などの植物繊維を成型した繊維板のうち、密度が0.35g/cm3未満のものをインシュレーション・ボードという。断熱性・吸音性・耐久性にすぐれ、軽く加工・切断が容易である。断熱材や内装下地材、床、家具やキャビネットの心材などに使われる。
 密度が0.80g/cm3以上のものはハード・ボードという。
 アスファルト処理すると、シージング・ボードと呼ばれ、防水性が加わる。

引照点(いんしょうてん)

測量によって決めた点を再び復元できるように、その点から離れた場所に設けられたバックアップのための点のことで、通常は2点設置する。

 境界点の復元等のため引照点についても座標化し、土地境界図や道路区域標示図等に、その成果を記載することが一般的になってきた。

インターホン

玄関などの屋外と室内をむすぶ通信器具。

 かつては音声だけを伝え合うインターホーンが多かったが、現在では室内から外部の映像も見ることのできる、モニター付きのものが主流になった。

 玄関など外部につける器具を子機といい、設備図では小文字の i であらわす。室内につける器具を親機といい、大文字の I で表す。ただし、室内用のワイヤレス子機もあり、こちらはモニター子機という。モニター子機はスマートフォンに連動させることもできる。

 映像を見ることのできるインターホーンは、テレビドアホーンという商品らしいが、いまではインターホーンといえば映像付きを指すくらいになった。

インターロッキング

インターロッキング・ブロックとよばれ、路盤・ 路床に敷きつめる外部の仕上げ材である。

 路面に降った雨を、路盤へと浸透させる仕上げ材で、水たまりができにくく歩きやすい。また、ブロック同士が咬み合っているので、車がのっても崩れにくい。
 地盤をつくった上に、砂据えにする。ただし、コンクリートで路盤をつくらないと、経年変化により地盤の凹凸が表れてしまう。

引張(いんちょう)引張強度(ひっぱりこうど)

材にかかる荷重のうち、材を引き延ばす方向にかかるものを引張(いんちょう、ひっぱり)という。

 引張強度とは、供試体が耐えられる最大引張荷重を、引っ張り力に垂直な供試体断面積で除した値。

 コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10以下で、鉄筋コンクリート造における引張耐力は、鉄筋にのみ負っていると言っても過言ではない。

 コンクリートは圧縮に抗するが、引張には弱い。

インテリア

建築の設計が、建物全体をとらえようとするのに対して、室内空間だけに着目してデザインすること、もしくは室内装飾のこと。

 壁面の仕上げや、家具や照明などがデザインの対象になり、この専門職を一般にインテリア・デザイナーという。ただし、インテリア・デザイナーという国家資格はなく、下記の民間資格がある。
 (財)建築技術普及センターが認定するのはインテリア・プランナーであり、また、(社)インテリ産業協会が認定している資格にインテリア・コーディネーターがある。

 商店などの店舗では、外部の見えかた以上に、室内空間のあり方や雰囲気が重要視されるので、インテリアはきわめて大事である。住宅設計では設計者がインテリアも設計するが、店舗では専門のインテリア・デザイナーが関わることが多い。
 インテリアの反対はエクステリアで、外構工事などをさす。

インド砂岩(さがん)

砂岩は水成岩の一種で、砂が粘土などとともに圧力を受けて硬化したものである。建築界で砂岩というと、インド砂岩であることが多い。
 インド砂岩には白っぽいベージュと薄い朱色っぽい赤がある。磨いても大理石のような艶は出ないので、割り肌で使われることが多い。柔らかい石なので施工も容易で、石としては比較的安価である。

インナーサッシ

既存のアルミサッシの室内側につけるサッシのこと。

 結露防止、断熱防音のために施工される。防火性能や対風強度は不要であるため、樹脂サッシが多く用いられペアーガラスも入れることができる。寸法さえあえば、木ネジだけで取りつけられる。 
 多くは窓枠の内側に取りつけるので、寸法を正確に採らないと合わなくなる。既存サッシとクレセントが交錯しないように位置決めする必要がある。

インパクトドライバー

回転だけするドリル ドライバーと違い、回転方向に打撃をくわえるので、ビスを強力に締め付ける。インパクト ドライバーはドリルド ライバーの3~4倍100~120Nm(10~12kgf/m)のトルクがある。

 現代の建築現場では、丸鋸とならんでもっとも多用され、最も重要な電気工具である。充電式は3万~4万円と高価ではあるが、それだけの働きをしてくれるようで、丸鋸はもたなくとも、インパクト・ドライバーはすべての職人がもっている。
 充電式のインパクト ドライバーは、住宅現場に革命を起こしたといっても良い。からネジへの転換を支えた立て役者である。

インバーター(蛍光灯)(けいこうとう)

インバーターとは直流から交流へと、電気的に変換する電源回路、またはその回路を持つ電力変換装置のこと。 反対に、交流を直流に変換する装置をコンバーターという。

 蛍光灯はグロー電球によって点灯していたが、インバーター蛍光灯は、電子化して点灯する方式で、 スイッチを入れるとすぐ点灯する。現在新設される蛍光灯は、ほとんどがインバーター式である。
 グロースターター方式とインバーター蛍光灯では、同じワット数でも明るさが違い、20~50%インバーターの方が明るい。両社は点灯方式の違いに過ぎず、 安定器など器具は違うが、蛍光管そのものは同じである。

インバート(桝)(ます)

汚水排水雑排水を円滑に流すために、 配管の断面と同じような型を作ることを、インバートを切るという。
 枡のなかに配管と同型の溝を切った枡を、インバート枡という。

 原則としてインバート枡は汚水配管に使われる。通常の枡のように滞留させ形だと、固形物が流れないのでインバートをきっておけば、屈曲部でも固形物や汚物が流れてくれる。プラスティック製のものもある。

隠蔽(いんぺい)

配管や配線などを、仕上げに隠れてしまう部分に施工することで、化粧(材)仕事の反対である。

 隠蔽となる部分は、完成後に見えなくなるので、機能を満たせば充 分なのだが、美しい納まりであってほしい。とくに配線類と架橋ポリエチレン管は要注意である。

 通常の設備は隠蔽を原則とするので、下地ができた段階で仕上げ工事に先行して行われる。

参考=点検口

 

印籠(いんろう)

① 2材を凸凹状態にして、接合すること。もしくは凸凹状態。フローリングや板材などを継ぐときに使う。本実ともいう。

の縁の内側に骨が納まるように、縁が大きくなっているもの。高級品で使う納まりである。印籠縁(いんろうぶち)