(あいうえお)あ

IH調理器

電磁誘導の原理を利用して加熱することを誘導加熱といい、英語表記の Induction Heating を略してIHともいう。
 誘導加熱を利用した調理器を電磁調理器とか、IH調理器という。

 電子レンジの原理であるマイクロ波加熱などの誘電加熱は、誘電体である不導体を加熱するもので、これとは原理が異なる。
 誘電加熱、誘導加熱のどちらも電磁加熱であるため、IH調理器と電子レンジとも電磁調理器と言って間違いではない。電気の使用量が大きいので、単独回路としたほうが良い。

相欠(あいがき)

①.相欠き(あいがき)は木材の継手の一種で、下の上の図のように板物や角材の継ぎ方をいう。
 相杓りと同じように、角材などを互いに半分ずつ欠きとって、切り取った部分を接着剤やなどで繋ぐ方法。おおむね材の厚さ分の長さを、互いに重ねることが多い。
 互いに半分ずつ欠き取るので、部材の寸法と同じ厚さに納まる。

②.下の下の図のように、直行する部材の半分ずつを欠き取って、交差させる仕口のこと。
 相欠きは簡単だが、部材の厚さで納まるので、よく使われる。凹の部分に入る側面を木殺ししておくと、隙間が生じにくくガタつくことが少ない。

 いずれも対となる相手の半分ずつを欠き取り、 同型となって雄雌がないので相欠きと呼ばれる。 簡単な細工で、荒(粗)木(あらき)にも化粧(材)にも用いられる。

合い釘(あいくぎ)

2つの木材をつなぐために、両端が尖ったを打ち込むこと。または接合に使う両端が尖った釘そのものをいう。

 ふつうは丸釘をペンチなどで切断して使うので、下図のように片方だけが尖ったものになる。やドリルなどで、正確な下穴をあけてから合い釘しないと2材がずれてしまうので、穴の位置を罫引き(けひき)など で正確に罫書くこと。また、釘よりも穴のほうが長くないと、接ぎ付きに隙間ができてしまう。そのため、穴の深さに余裕を見ていくこと。
参考=本実(ほんざね)

相杓り(あいじゃくり)

板材などに用いる継手の一種で、板厚の半分を互いに切り欠き、重なる部分を作ることによって隙間ができるのを防ぐ工作方法。相欠き(あいがき)ともいう。

 15ミリ以下の薄い板材に用いられる。下になるほうは釘で固定できるが、上になる板を固定できない。そのため、 フローリングなど床板などには使われず、あまり力のかからない羽目(板)などで使われる。
類語=本実(ほんざね)、印籠

アイソメ(図)

 Isometoric drawing のことで、アイソメトリック図の略。平行投影図の一種。

 
立体を斜めから投影的に見た姿を表示する方法のひとつで、簡単に立体的な表現ができるので、上下階の繋がりなど建物の説明に使われることが多い。
 平面図のうえに高さを描き込んでいくことが多い。XYZ軸同士の関係が等角に描かれているので、等角投影図という。
参考=アクソメ

合端(あいば)(あわせ)

2つの物を削ったり、摺り合わせたりして、馴染みよくするときの互いの面を合端という。

 たとえば、板の接ぎ付き、 石と石を並べていくときの互いの面や、を並べるときの互いの面のことで、互いの面を馴染み良くする作業を合端合わせという。
 
 木材の接ぎ付き面では、ドン付け雇い実で納めることが多い。最近では材料の制度があっているので、合端合わせは楽になった。
 近目で見る場合は隙間なく合端を調整するが、遠目のときには必ずしもピチッとさせないほうが良い場合もある。

参照=上端下端天端

合番、相番(あいばん)

ある工事をするときに、その工事を施工する職人以外の職種の職人が立ち会うこと。

 建築工事は、それぞれ隣接分野の職種と関連があり、自分の仕事と他の職種の仕事を調整する必要があるから、段取り上立ち会ったほうが工事が円滑に進む。たとえば、コンクリートを打設するときには、担当職人である土工左官屋以外にも、電気屋や設備屋などがでることがある。こうした職種の違う職人が、同じ工事に立ち会うことを合番という。
 現場代理人や現場監督のいる大規模な現場で使われることが多く、住宅規模の現場ではあまり聞かない言葉である。

アイビーム

H(型)鋼がH型の断面をしているのに対して、断面が 型をしたのことで、主に鉄骨造で用いられる。フランジの幅に対して、ウェブの長さが長いもの。

 ツーバイフォー用のであるTJ I ジョイストのことを言うこともある。長い距離を柱なしで飛ばせるので、最近はよく使われる。

アイボルト

 頭部に輪がついたボルトのことで、アイナットとか吊りボルトとも呼ばれる。

 重量物をクレーンなどで吊り上げるときに、重量物にワイヤーなどを接続するための輪付きのボルトである。吊り上げることのできる保証荷重が決められている。

 リングの部分にワイヤーやチェーンを引っ掛け、下の重量物に固定する事が目的なので、捻子の長さは長短の二種類だけである。下の写真は足長のアイボルトである。

 ヒートンと同じでものだが、ヒートンは重量物用ではない。

相見積(あいみつもり)

工事の施工者を決める場合に、請負金額の多寡で決めようとして、数社から見積りをとること。<あいみつ>と略して言うことが多い。見積合わせともいう。

 一種の競争入札であるが、工事内容など仕様が決まっていない状態での相見積は、正確な比較ができない。また、本命の施工業者に請け負わせるための当て馬に使われることもある。
 設計を相見積もりで決めようとする人がいるが、設計行為は条件を揃えることができないので、見積合わせには馴染まない。

アイランド型(がた)キッチン

 厨房セットの配置形式のひとつ。

 流し台調理台ガス台で構成される厨房セットは、壁に付けて配置される例が多い。すると、調理する人は室内側に背中を向けることになる。それを嫌って、厨房の中心に厨房セットを配置するのが、アイランド型キッチンである。

 厨房と食堂を一室としたダイニングキッチンや、厨房と食堂・居間を一室化したリビング・ダイニングキッチンでは、調理中も室内の人たちと交流したいとの希望から、アイランド型キッチンが使われるようになった。

 調理からでる油煙などの排気が、レンジフードで取り切れずに室内に漂ってしまう。そのため長期間には、それが居間の壁やテレビの上などにこびりついて、室内を清潔に保てないことが多い。またマンションなどの共同住宅では、給排水などの配管処理が難しいことが多い。

アウトフレーム工法

 ラーメン構造を採用すると、柱や梁は壁よりも厚いために、 壁を付ける位置によって柱や梁が室内側にでるか、屋外側にでるかの違いが生じる。このとき、屋外側に柱型や梁型をだすものをアウトフレーム工法と呼ぶらしい。構造上の問題というより、マンションの販売上から生じた名称である。下の図の右側がアウトフレーム工法。

 建築上の床面積は壁芯で拾うので、どちらに壁を付けても同じになる。しかし、区分所有の対象となるマンションなどの室内面積は、不動産登記法にしたがって壁の室内面側で計る。そのため、下の図では左右で若干の差がでる。

参考=逆梁

アウトレット

電気などが取り出せる差込口のことを英語でアウトレットと言うが、我が国ではコンセントと呼ばれている。我が国でアウトレットと言ったときには、高電圧をとる場合が多い。取り出し口といった意味である

亜鉛鉄(板あえんてっぱん)

亜鉛メッキをした薄い鋼板で、屋根外壁の葺き材料として使用される。通称<トタン>または<ナマコ>ともいう。

 多くは着色されて、波板加工もしくは角波加工されている。外部に使用した場合、7~10年に一度くらい再塗装しないと錆が発生してしまう。
 圧延で製造されるため、定尺の幅は600~900だが、長さは運送可能な程度(12メートル程度か)まで製作できる。
 タクミホームズでは、金色塗装をした12メートルのものを、店舗の天井に使用したことがある。軽くシャープな感じが天井に良くあっていた。しかし、再塗装の必要性や、軽い質感が安物の代名詞のようになってしまい、最近では使用を嫌われる傾向にある。

参照:瓦棒葺き平葺き縦ハゼ葺き

青写真(あおしゃしん)

濃い青色の地に、文字や線が白く抜けたコピーのこと。ブループリントともいう。

 日光写真の原理を応用したもので、光の明暗が青い色の強弱として印画紙の上にのこる。青写真は青焼きとは違うものである。
 青写真は建築図面の複写に長い間に渡って利用された。そのため、青写真は設計図書の意味を持つようになり、そこから転じて将来の計画を青写真とか、青写真を描くというようになった。

 1960年頃から普及し始めたジアゾ式複写機によって、安価な青焼きが作られるようになり、複写の用途からは消えていった。

青砥(あおと)

天然砥石である青砥は、代表的な中砥(なかど-中くらいの粗さの砥石)で、古代から知られていた。正倉院の文書にもその名が出てくるし、平安時代初めに作られた「延書式」 (927年編) にもさかんに名を見る。青砥はやや硬くて、鉋や小刀などの道具刃物用、赤はやや軟らかく庖丁用として、昔から定評がある。
 天然砥石であるから、少量の水で研ぎ始め、砥汁を使いながら研磨の度合いを上げていく。最近では人造砥石が主流となったので、ほとんど見かけなくなった。

青森桧葉(あおもりひば)

青森県北部に群生する、天然の桧葉(ヒバ)のことである。

 樹齢200年くらいの大木である。耐陰性に優れ、日陰地の栽培に耐える。ヒバは、ヒノキ科・ヒノキ亜科でアスナロ属アスナロという一属一種の日本特産樹種である。
 青森ヒバには、と同じ成分が含まれるため、似た芳香がする。樹質は軽軟で木理は通直で、肌目は緻密であるが、木目に沿って割れやすい。桧に比べると硬いため、曲(くせ)が強く反りやすい。
 湿気に強く腐りにくく、殺菌性のある精油を含み、防虫効果がある。そのため、土台や風呂桶などに使われてきた。年間の伐採量が決まっているので、決まった量しか市場に出ない。良材は桧並みに高価である。

青道・青地・畦畔(あおみち・あおち・あぜはん・けいはん)

田や畑にそって通行や施肥にための細長い土地のことで、青地とも呼ばれている。

 土地の面積に含まれている場合は内畦畔といい、土地の外にあるのは外畦畔という。地番の付いていない畦畔は、二線引畦畔という。

 農道として使われている場合は、道路扱いになることが多いが、廃道になっている場合は、財務省の管轄財産となる。

 長いあいだ使われていない二線引畦畔は、時効(取得)の対象となる。

青焼き(あおやき)

薄い青色の地に、文字や線が濃い青色で仕上がるコピーのこと。

 1960年頃から普及し始めたジアゾ式複写機によって、トレース用紙などの原図から作られるようになったコピーである。青写真に代わるものとなった。

 アンモニア液を使うものと現像液を使うものがあったが、現像液を使うものは安価であったため、小さな設計事務所でも所内で青焼きコピーがとれるようになった。

 青焼きはトレース用紙に描かれた図面から、専用の印画紙に透過光を使ってコピーをとっていた。そのため、長時間にわたって太陽光にさらすと退色してしまう欠点があり、長期の保存には向いていなかった。
 また、コピーした図面から再コピーがとれなかったので、再コピー用に第二原図があった。

 白い仕上がりの普通紙コピーが普及するにつれ、青焼きは使われなくなった。

煽り止め(あおりどめ)

① 垂木といった直行する部材の倒れを止めるために使われる金物。垂木と母屋を繋ぐ金物は、捻り金物とか手違いと呼ばれるが、煽り止めはより背(成)の高い部材を固定するのに使う。
 
② が風などでバタつかないように固定する金物。ドアチェックドアクローザーもストッパー付きものは一種の煽り止めでもあるが、単に煽り止めと言った場合は、下の写真のように腕木式のものを指すことが多い。

赤錆び(あかさび)

 鉄や鉄合金の表面が酸素と結合して腐食して、生じる赤茶色の金属酸化物のこと。

 錆は、還元された鉄が安定な状態へとかえろうとする結果である。空気を遮断すれば、錆の進行は抑えら れるので、ペンキなどの塗料を塗れば赤錆の発生は防げる。とりわけ雨掛かりなど断続的に水がかかる部分に発生しやすい。
 錆が発生したら、ケレンのうえ再塗装する。給水 管のなかに発生すると赤水がでる。下の写真はデッキプレートの裏に水が回って発生した赤錆び。

アガチス

 ラワンに似ているが肌はより緻密な木材で、 東南アジアから太平洋諸島に生育し、辺材芯(心)材の区別はあるものの見分けがつきにくい。

 材は、桃色を帯びた灰褐色ないし淡い黄白色。針葉樹であ るが年輪は明らかで なく、陽疾(アテ)が強い木なので、柾目に製材することが必要である。幅広材が取れ加工が容易なため、化粧材として使われることが多い。家具材や建具材としても使われる。

朱壺(あかつぼ)

墨壺の池に、紅柄(べにがら)を入れて、赤い線をうてるようにしたもの。作りは普通の墨壺である。

 埃のついた木材は、黒い墨が目立たないので、朱墨をつかう。また、仕上がった材料に、黒い墨をうつと目立つので、赤壺を使うことがある。黒い墨の入った墨壺だけではなく、朱壷と両方持っている大工には腕自慢が多かった。朱壺には、細い糸を仕込むことがおおい。
 ちなみに黒いアスファルト・ルーフィングには、白汁を入れた墨壺をつかって、屋根屋は白線をうつ。

赤土(あかつち)

 腐食物の少ない土で、地表の土を30~50センチ程度取り除いた後に出てくる赤茶色の土である。植栽に使われる黒土などと区別するために、ごく普通の土をいうこともある。水の浸透性は悪く、雨が降ると滑りやすくなる。

 木造住宅の床付け面としては良質のものである。別名を関東ロームという。埋め戻したのではなく、初めて空気に触れた切り土であれば、スウェーデン式サウンディング試験などの地耐力試験をするまでもなく、5トン/㎡までの荷重に耐えることが期待できる。

赤松(あかまつ)

マツ科の常緑針葉樹で、樹皮が赤いので赤松と呼ばれる。

 赤松は北海道から国内全土に広く植栽されており、(=クロマツ)が「雄松」と呼ばれることに対比して、「雌松」と呼ばれることもある。
 芯材は淡い黄褐色で、辺材は淡い黄白色である。古くなると飴色になる。ややクセがつよく、脂(ヤニ)がでることもある。最近では、銘木材扱いになっており、高級な造作材として使われる。

赤身(あかみ)

樹木の表皮部分ではく、内側の赤みがかった中心に近い芯(心)材部分で、赤っぽい色をしているので赤身と俗称される。

 特に材では、赤身と白太の差が激しく赤い部分がはっきりしているので、よく赤身という言葉が遣われる。
 赤身の部分は、木材の生長がのろくなりゆっくりと成長したため、用材として狂いが少ない良材とされる。木裏のほうに赤身が多くでるが、木裏のほうが節がおおい。また、赤身部分は水に強い。
 反対語=白太、参考=源平

赤水(あかみず)

赤錆びの混じった水のこと。

 水道の蛇口から赤い色をした水が出ることがあり、それを赤水と呼んでいる。紅茶のような赤水から、ほんとうの赤茶に濁ったものまで様々である。鉄管を水道管として使用し、古くなった場合に赤水がでる。
 流し始めにでる場合と、ずっと出続ける場合がある。前者の例が多く、住宅内の配管(所有者の財産、管理)が錆びて、その錆が水道水に混入するためにおきる。

 錆(サビ)は鉄分なので、健康にはまったく影響はない。しかし、鉄くさかったり、おいしくなかったりする。下の写真は磁気テープで、これを給水管にまくと、赤水が止まると宣伝するが、根本対策は、配管の交換である。
 最近では水道管(給水管)に鉄管ではなく、塩ビ(VP)管架橋ポリエチレン管を使うことが多くなったので、赤錆が出ることは少なくなった。

赤道・里道(あかみち・りどう)

道路として使われていない細長い土地のことで、赤道とか里道と呼ばれている。

 畦畔など路地状の道路や、獣道などが里道とされたが、公図に赤色で表記されたので、赤道とも呼ばれた。

 農道として使われている場合は、道路扱いになることが多いが、廃道になっている場合は、財務省の管轄財産となる。

 赤道には地番が付いていないことが多いから、新たに土地が生じたのと同じように、測量のうえ表題登記が必要になる。

 長いあいだ使われていない二線引畦畔は、時効(取得)の対象となる。

上框(あがりが(か)まち)

玄関土間と板張りの取継(取次)のさかいに、床の見切りとして横にわたされた材のこと。土足と上履きの履き替えの境であり、靴を脱ぐための境をしめす化粧材である。

 堅木が使われることが多いが、高額なマンションなどでは、高級感を出すために石材をつかう例もある。
 かつては土間から床上まで50センチ近くあり、途中に式台靴脱ぎ石などをおいたが、最近では土間から玄関床まで18センチを標準とするようになった。上框の付近の壁には、手摺りがあると楽に上り降りできる。下の写真は20センチくらいの上框をつかっているが、通常はもっと背(成)が低い。
 参考=床框

秋材(あきざい・しゅうざい)晩材(ばんざい)

夏材もしくは晩材ともいう。四季の変化がある温帯から亜寒帯で見られる材の構造。夏秋の形成層が活動を休止したころに造られた第2期木部をいう。
 細胞は小形で密に並び、膜はかなり厚く、放射方向に扁平な(すなわち接線方向に長い)横断面を示すことが多い。春材では導管が多く、かつ大きく、仮導管や木部柔組織も多いが,秋材に向かって、しだいにそれらの量と大きさを減じて木部繊維を増す傾向がある。<しゅうざい>とも呼ぶ。
反対語=春材

アキスミンスター・カーペット

イギリスのアキスミンスター地方で発達したカーペットなので、この名前が付いた。ウィルトン・カーペットと同じ製法だが、多色の色糸を用いて、多彩で複雑な柄を特色とする機械織りカーペットの高級品。
 
 カーペットは部屋の中央などに部分的に敷かれるものと、室内全体に敷きつめるものがる。前者は手織りの高級品が多く、後者は機械織りの普及品がおおい。アキスミンスター・カーペットは機械織りで、部屋に敷きつめることも可能だが、ホテルなどに使用されて高価である。

秋田杉(あきた・あきたすぎ)

秋田地方で産出するのうち、樹齢150~200年以上たった年輪の幅が細かい天然の杉を、とくべつに秋田杉といい、秋田と略称した。

 一般に杉は安価な材料だとみられていた。とりわけ白太部分の多い杉は縮みも大きく、建築材としてはあまり歓迎されていなかった。しかし、秋田杉は緻密な赤身部分が多く、白太も密実であることから切れも良く、建築材として有用性が高く高価で取引された。

 吉野杉、北山杉なども有名だが、それ以上に美しい木肌で、赤身には独特の風合いがあった。

参考=源平

アーキテクト

Architectとは、設計者や一級建築士のことではなく、資格とは無関係な建築家のことである。

 建築家と名乗るためには、画家や詩人などと同様に、一切の資格が不要である。名刺に建築家と刷りこめば建築家を自称できる。実際には、1級建築士の資格を持つことが多いが、もともと建築表現をめざした建築職業人である。
 建築士事務所協会とは別に、建築家の職能集団である(社)日本建築家協会がある

灰汁洗い(あくあらい)

灰汁(あく)とは 植物の灰を水で浸出した液。この液は汚れ落としに有効で、しかも酸と相反する性質をもつ。主成分は、陸の植物の場合は炭酸カリウムK2CO2,海の植物の場合は炭酸ナトリウムNa2CO2である。あくぬきに用いることから、古くなって埃だらけになった建物の美化にも用いる。

 建物の灰汁抜きすることを、灰汁洗いといい、木造建物の灰汁洗いを業とする専門職がいた。灰汁洗いといっても、大量の水をかけるわけではない。特別に調合した液体を刷毛で塗った後、少量の水をかけて灰汁をふき取るだけである。これによって、汚れ落とし、染み抜き、漂白などを行う。そのため室内にも施工でき、和室の木部なども灰汁洗いによってきれいになる。社寺仏閣など、木部を露出した建物に適する。簡単な灰汁洗いなら、塗装屋でもできる。

アクアリウム

アクアとは水のことで、アクアリウムとは水生生物の飼育設備のことをいう。

 鑑賞用の熱帯魚(観賞魚)や水草などを飼育・栽培すること、またはそのために構築された水槽を含む環境を指すことが多い。住宅に設置されるものでは、大規模な設備は不要であるが、近くに給排水設備があるとなお良い。

アクソメ(図)

Axonometric drawing のことで、アクソノメが正しい省略だが、アクソメと略されることが多い。平行投影図の一種。

 立体を斜めから投影的に見た姿を表示する方法のひとつで、平面図を使って簡単に立体的な表現ができるので、建物の説明に使われることが多い。三次元上のXYZ軸同士のどこか一箇所が、二次元表現の時に直角で描かれたもの。軸側投影法ともいう。

参考=アイソメ

アーク溶接(あーくようせつ)電気溶接(でんきようせつ)

アーク溶接とは電気の放電現象(アーク放電)を利用し、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接法。

 母材である鋼材と電極(溶接棒、溶接ワイヤ、TIGトーチなど)の間に発生させたアークによってもたらされる高熱で、母材および溶加材(溶接ワイヤ、溶接棒)を溶融させて分子原子レベルで融合一体化する接合法であり接着とはまったく違う。電気溶接とも言われることもあるが、これには抵抗溶接も含まれる。

 鉄骨造の建物では、溶接による接合への信頼が欠けると、構造耐力に齟齬をきたす。部溶接への信頼を確保するために、有資格者による施工が法定されている。写真のような下向き溶接、横向き溶接、上向き溶接の順に難しくなると言われている。また、溶接が完全になされたどうかを確かめるために、超音波をあてて検査をする。建築では現場での溶接は少ない。
参考:突合わせ溶接隅肉溶接開先

アクリル板

アクリルは石油製品で、板状に伸ばした物は加工が容 易なため、看板などに使われている。半透明な物は、障子紙の代わりとして使われることもある。
 現場では、アクリ板と呼ばれることが多い。サイズは、450×300、600×450、910×600から、3×6版とメーター版がある。厚さは2 ・3 ・5・8・10・13・15mmまであり、厚くなると高価である。切断には注意が必要である。
参考=ポリカ

上げ裏(あげうら)・軒裏(のきうら)・軒天井(のきてんじょう)

上げ裏、軒裏、軒天井はすべて、を下から見上げた部分をいう。
 ただし、上げ裏だけは軒だけではなく、単に見上げた裏側、たとえば階段の裏側などをいうときにも使う。

 軒裏はかつては室内の天井と同様に、大工による手の込んだ仕上げだったため、軒裏の天井とみなされて軒天井といった。

 しかし、防火(構造)などの問題で、いまではモルタルで塗り廻すか、板状の不燃材料を張り上げるだけになってしまった。

参考=化粧垂木

上げ落とし

① 開き戸などを開いた状態で固定するために、木製建具の上部や下部に取り付ける金物。
丸落とし、フランス落とし、南京落としなど

② 板状の部材を、上の溝に入れてから所定の位置にズラし、下に降ろして固定する方法、もしくは部材のこと。

上げ蓋(あげぶた)上げ板(あげいた)

板の間などの床に、取り外しできるようにした部分、もしくは取り外しできる板のこと。かつては、床下に物入れを作る場合、床板と同じ材料で蓋をつくって床に嵌め込んだ。

 現在では、蓋と床下部分がセットになった床下収納に変わっている。 そのため、上げ蓋だけを作ることはなくなったが、蓋となる部分に床仕上げ材を嵌め込んで床と同一に仕上げる。下の写真は上げ蓋にクッションフロアーを張ったもの。

顎(あご)顎欠き(あごかき)

ホゾ二階根太などの下側の一部を欠きとった部分を顎といい、下の図のように欠き取ることを顎欠きとか顎掛けという。
 
 2材を重ねて直交させると、上になった材料の背(成)の分だけ高くなる。この時、下になった材の上端が凸凹だと、上になった材も下の材にしたがって凸凹になる。下の材に彫り込みを作り、顎を付けて重ねることによって、上の材の上端をそろえる仕口である。
 
 顎を付けるのは高さの調整などのためであり、荷重をかけるのは、欠き取った部分ではなく全体の背(成)がある部分である。顎をつくることにより部材を欠き取りながら、力は断面欠損なしに伝わることになる。
 下の図のように先端部分ではなく、途中を切り欠くと渡り顎という。

朝顔(あさがお)

① 上から物がおちても、地上までの落下をくい止めるために、上に向けて突きだした仮設の防護施設。朝顔の花のように上に向かって開いているので、朝顔というようになった。
 写真はネットであるが、鋼板製の物もある。

浅葱土(あさぎつち)

浅葱土は和風の左官仕上げ用の土で、主に京都市伏見大亀谷の近郊と明石市外片山村でとれる。

 下塗りや中塗りに使われる土は、粘土質が好まれるが、仕上げに使う土は色や質感が重視される。
 浅黄土とも書かれるが、浅黄色は<うすきいろ>と読み、別の色である。

歯振(あさり)

鋸が伐りすすんでも、木材に食われて動かなくならないようにするため、鋸身(のこみ)よりすこし厚く伐れるよう、歯先を左右に振り分けたもの。歯振りがないと、鋸の刃幅の半分以上の材料は切断できない。

 鈍角をもったレール条の鉄のうえで、刃(歯)槌(はづち)をもちいて歯先を1枚1枚叩きながら、歯振り出しの作業をおこなう。横挽き、縦挽きともに歯振りは必要で、歯振りのラインが揃っていないと切断面がギザギザになってしまう。
参考=目立て  
もっと詳しくは、鋸(ノコギリ)を参考に

足固め(あしがため)

土台を使わない建て方で、の脚部を補強するために、柱相互を水平につなぐ部材のこと。貫構造独立基礎を使った民家や農家に用いられた。
 
 現在の工法では筋違を使い、基礎布基礎ベタ基礎になってきたので、足固めを使うことはなくなった。

足切り(あしきり)

工事見積り書の端数を切り捨てること。

 工事見積書は、各職種ごとの小項目に小計され、その後、建築工事、電気工事、給排水・衛生設備工事などの大項目に合算される。
 それぞれの小項目の小計で端数がでると、それを100円以下とか、1000円以下で切り捨てて大項目へ移記する。こうした切り捨てを足切りとか足切り金額という。
 
 足切りがどの単位、どの段階で行われるかは、発注者と受注者の関係によって決まる。足切りは値切ることとは違うが、実質的には少額ながら値切りである。

足場(あしば)

手の届かない高所部分を工事するために組む工事用の通路。外部足場と内部足場がある。仮設であるので、工事のグレードには関係なく、規模に比例して足場工事の金額が増減する。

 外部足場は、地の間の面積ではなく、面坪で積算する。抱き足場単管(足場)ビデ足場本足場などの種類があり、かつては抱き足場などが使われていたが、最近では工事の安全に配慮してビデ足場がふえている。一定規模の工事には足場組立作業主任者の資格が必要になった。
参照=登り桟橋ネット

 内部足場は、脚立(足場)を使うことがおおいが、天井を張るときには天井足場をもうける。

参照-仮設工事-その2

足下灯・足元灯(あしもととう)

廊下階段などの壁の下部に、もっぱら足下を照らすために設ける弱い照明。

 室内用は小さな照度を日中も点灯し続けるものもあるが、電気代節約のため、人が近づいたときだけ点灯する人感センサー付きのものが使われることが多くなった。ただし、人感センサー付きは初期費用が高価である。 

 屋外では、門から玄関までのアプローチ に設置する。長いアプローチでは6~8m毎に、階段では5段分の上下を目途に設置する。なお屋外灯には防水性が要求される。庭園灯を設置することによって、足元も照らすようにする場合もある。

参考=常夜灯

網代(あじろ)

竹を細く裂いたものやを薄く削いだ板などを、斜めや縦横に交叉させて編んだもので、多くは和風建築の天井などに使われる。また、こうした模様を網代ということもある。

 下の写真のように材料を直交させたものや、角度を付けて斜めに交叉させたものもある。厚い材料 を交叉させると自立するが、薄い材料を使った網代だけでは自立しない ので、ベニヤ板で裏打ち することが多い。建具や家具 の鏡板として使うこともある。

アース

漏電により感電や火災などを防ぐために、過大電流を遮断して地面に流す回路、もしくはそのための器具のこと。銅製の棒や板を地中に埋めて、過電流を地中に逃がすためアースと呼ばれている。接地ともいう。

 家電製品単体の器具からアースをとることもあるが、住宅では回路単位、もしくは接地が必要 な回路全体でアースをとることが多い。器具ごとにアースを取ると、落雷などで大きな電流が流れたとき、 地中で電気が干渉しあって、器具に悪影響を与えることがある。アース付きコンセントの回路は、E の記号が付されている。

 人体は水に濡れると感電しやすくなるため、濡れた状態でふれる恐れがある洗濯機のような器具類からは、 アースを取る必要がある。むかしは水道管に鉄管を使用していたので、蛇口などに洗濯機のアースを接続しているのを見か けた。しかし、現在は塩ビパイプ(VP)や架橋ポリエチレン管になったので、 水道管がアースの役目を果たさなくなっている。ここの家電器具からは、アースされた回路のコンセント端子に結線する。
 アースを設置したときには、接地抵抗値が所定の数値以下であることを確認しなければならない。

アースアンカー工法

土を深く掘削すると土が崩れてしまうので、山留めを施すが、ふつうは切梁をかけることが多い。しかし、片側しかなかったり、幅広に掘削するときは、切り張りが使えない。そのため、土中の岩盤にに鋼材を固定し、鋼材の緊張力で山留壁などを支持する工法。単に「アンカー工法」と称することもある。またグラウンドアンカー工法ともいう。
 
 山留め工法は土圧に対向するものが多いが、アースアンカー工法は背後の岩盤から引っ張るような形で、擁壁を支持するものである。

アース付きコンセント・E付きコンセント

過大電流を地面に流す回路端子のついたコンセントで、通常のコンセントの下にアース用の端子がついている。コンセントの記号に、E が印されている。洗濯機などのアース線を、ここにつないで使用する。
 
 かつては水道管などに洗濯機のアース線を接続したりしていたが、現在の水道管は塩ビパイプ(VP)や架橋ポリエチレン管になったので、 水道管がアースの役目を果たさなくなっている。そのため、アースされた回路の端子に接続する必要がある。
 下の写真の緑のコードが、器具からきたアース線で、コンセントのアース端子に接続されている。

アースドリル工法

現場施工の支持杭を造るための工法で、アースドリル機で穴を掘り、蛇籠(篭)状に組んだ鉄筋をいれ、コンクリートを打って杭②とする。

 大規模な建物に採用され、バケットを回転させて掘削し、バケットで土砂を排出する。口径φ3.0m、掘削深度70m程度までの施工が可能である。

 アースドリル工法では、真っ直ぐな直杭と、底部を拡張させた拡底杭が可能である。拡底杭は掘削土量やコンクリート量が減る利点がある。

 低騒音、低振動なので市街地でも使われているが、杭壁の崩落を防ぐためのベントナイトという安定液の管理が難しい。 

参考=BH

アスファルト

原油に含まれる炭化水素類の中で最も重質のものである。減圧蒸留装置で作られた減圧残油はそのまま製品アスファルトとなり、ストレート・アスファルトと呼ばれる。
 ストレート・アスファルトの性状を改善するため、溶剤抽出(溶剤脱瀝)や空気酸化(ブローン・アスファルト製造)などの処理を行うこともある。 粘度の高い液体であり、常温ではほとんど流動しないものが多い。道路の舗装やアスファルト防水などに使われる。<ウィキペディアから>
 下の写真では、溶融させて流し張りに使われている。

アスファルト・フェルト、(AF)

繊維を原料とした不織布・布・紙などにアスファルトを浸透させてシート状、もしくはロール状にした防水紙。AFと略記される。

 アスファルト・フエルトは主に外壁下張材として使用される。ロール状のものは20Kg/巻きを標準とする。アスファルト・フェルトのうえにラスをはって、モルタル下地とする。10センチ以上の重ね代が必要で、アスファルト・フエルトだけでも雨は漏らない。

 アスファルト・フェルトの両面にさらにアスファルトをコーティングし、鉱物質粉粒を付着させたものはアスファルト・ルーフィングと呼ばれ、屋根下葺材として使用される。

アスファルト・ルーフィング、AR

合成繊維不織布や有機繊維原紙、ガラス繊維などにアスファルトをしみ込ませ、 粘着防止のために雲母の細粉などを付着させたロール状にした防水紙。アスファルト・フェルトより強靱で、 表面に砂を着けたように見えるので、現場では砂付きとも呼ばれる。

 1巻きの重さで仕様が違い、22Kg~29Kg/巻くらいまである。重いほうが丈夫である。アスファルト・フェルトは外壁下地に使うのに対して、アスファルト・ルーフィングはコロニアル亜鉛鉄板などの屋根下地につかう。勾配流れ尻から張り始め、両端の線まで重ねて張り登ること。

 アスファルト・ルーフィングだけでも防水性能は確保できるが、耐火性と耐久性に欠けるので上に乗せる仕上げ材が必要である。ロールを立てて保存しないと、材料同士が接着してしまい、使用できなくなる。

アスファルト防水

平らなコンクリートスラブの上に、現場で加熱溶融させた液状のアスファルトをもって、アスファルト・ルーフイングを2枚から3枚以上貼り合わせていく工法で、大規模なコンクリート構造物の水平な屋根に使われることが多い。

 常温での工法もあるが、アスファルト防水といった場合は、熱で溶かしたアスファルトでアスファルト・ルーフイングを接着する熱工法を指すことが多い。最近では、アスファルトを溶融させる場所がなく、小規模な施工が難しくなっている。
 
 適切に施工されたアスファルト防水への信頼性は高く、漏水への心配は少ない。通常は太陽光線や歩行により傷付くのを防ぐため、アスファルト防水施工をした上に保護層を設けるのが一般的である。
類語:塗膜防水シート防水FRP防水

アスベス・石綿(いしわた)

アスベストは、石綿(せきめん、いしわた)とも呼ばれる天然の鉱物繊維で、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性があるので、建築材料に混ぜて使用されてきた。しかし、アスベストの繊維は、きわめて細いため、浮遊しやすく、吸い込むと、肺がんや悪性中皮腫、アスベスト肺などの原因になる。そのため、2006年9月になって使用が禁止されたが、すでに使われたアスベスト含有の建材が解体期にはいるため、年間10万トン前後のアスベストが排出されると見込まれ、今後の解体にあたって建築物周辺の住民の健康への影響が懸念されている。

 解体工事ではアスベストを含んだ建材が暴 露するので、アスベストが飛散する恐れがある。解体施工者は完全な防御をしなければならないので、解体工 事に先立ってアスベストの含有を調査する必要がある。また、発生材処分にも注意が必要で、施工費や処分費を充分に見ておく必要がある。

東屋(あずまや)

庭や公園などに設ける簡易な建物で、正方形の平面で4本の柱だけで支えられ、壁はないものが多い。また、屋根は四方に均等に流れる方形を標準とする。
 防火や準防火の指定がない地域では、10㎡以下の東屋などは建築確認をだす必要がない。

畦(あぜ)

敷居などの溝と溝に挟まれ た部分。ともよぶ。溝の外側は樋端(ひばた)という。

 東京近郊では、 障子などの木製建具のためには、47(ししち)の溝が突かれることが多く、7分(21ミリ)の溝に4分(12ミリ)の畦となる。ここに1寸(30ミリ)の建具が、1分(3ミリ)間隔で走る納まりとなる。の場合は、7分(21ミリ)の溝に、3分(9ミリ)の畦となる。

 溝の深さは、並仕事で2~2.5ミリ、上等な仕事では1.5ミリ(5厘溝)とする。溝のなかは、 かまぼこ型の凸型にすると、建具の動きが軽い。また溝の底に 堅木埋め樫をすると、建具の滑りが良く摺りへらずに耐久性がでる

アセトアルデヒド

アセトアルデヒドは刺激臭のある無色の液体で、揮発性の高い物質である。 アセトアルデヒドは人体にとって有毒物質で、建築材から放出されるアセトアルデ ヒドは、シックハウス症候群の原因 として問題視されており、これを含まない建築材の採用が進んでいる。

 最近の建材では、アセトアルデヒドなどの含有にしたがって、☆の数で区分けしている。☆の数が多いほど含有が少ない。木材などの自然素材にはアセトアルデヒドは含まれておらず、工場で生産される建材類のほとんどが、含有ほぼ零の F☆☆☆☆ となっている。 建材メーカーに仕様書を請求すると送ってくれるが、インターネット上でも公開されているのでダウンロードできる。

畦挽き鋸(あぜひきのこ)

部材を切断するのではなく、途中だけ斬る場合や溝状のを挽き出す場合に使用する

 首が長く刃長が短く、刃線が弧状になっている。縦挽き用と横挽き用の刃をもった両刃鋸であり、造作仕事には不可欠の道具であった。 
 現在は丸鋸ルーターに押されて出番がなくなった。

遊び(あそび)

緩みのある状態。きっちりと締め上げてしまわずに、あえて緩みを持たせた仕事、もしくは緩みそのもののこと。たとえば、障子鴨居の溝にぴったりだと動かないので、いくらかの緩みを持たせること。

 衣服などが過剰にキッチリ、ピッタリしていると、身体を自由に動かすことができない。同じように建築の世界でも、動くものには余裕を持たせないと期待した性能がでない。そのために緩みといった余裕をもたせている。遊びとは動くものに対して言い、動かないものへの余裕は逃げという。遊びも逃げも工作上の工夫である。

頭繋ぎ(あたまつなぎ)

のように垂直に伸びる部材の頂部を、水平に連結する部材のことだが、構造耐力を負担しないものをいう場合が多い。 垂直な部材の通りを揃えたり、バラツキを止めるためであることが多い。構造を負担しないので、釘打ちなど簡単に固定される。
 構造を負担する場合は、とか頭貫、または臥梁と呼ばれる。

 アーチ

石造や煉瓦造などの組積造で、開口部をつくるようなときに、上部の加重を支えるための円弧状に築いた構造。

木や鋼などの場合もこのような形状のものをアーチと呼ばれています。

半円形・尖頭形・オジー形などいろいろな形状があり、「迫り持ち」ともいいます。

圧延(あつえん)

金属板やプラスッティク板の加工方法の一種。

 ロールを回転させて、その間を金属などを通すことにとって、トタンなどのような薄板をつくる加工方法である。波板にすることもできる。

 亜鉛鉄板などを作る方法で、幅には限界があるが、長さは無限に長くできる。しかし、運搬方法のうえで制約があるので、コイル状にしている。

圧接(あっせつ)

D19ミリ以上の鉄筋に使用する鉄筋の継手の一種。住宅規模では使われず、規模の大きい鉄筋コンクリートの建物で使用される。

 重ね継ぎ手だと重なる部分が2本と倍になってしまうので、型枠のなかが混んでしまいコンクリートが廻りにくくなる。それ を避けるために使われる接合方法で、鉄筋を突きつけとしたうえ、圧接器によって軸力方向に圧力をかけて、アセチレン・ガスであぶって接合する方法。

 両側から圧力をかけながらガスであぶっていくと、鉄筋が融けて団子状になる。この団子の直径が鉄筋の直径の1.4倍以上を確保するように決められている。
 風が強かったり、雨が降ると施工できない。また、接合具合は目視では判らないため、圧接施工後の抜き取り検査が必要である。

圧縮(あっしゅく)

建物の荷重が、材料の長手方向と平 行にかかること。このとき材に圧縮力がかかっているという。圧縮材の 典型例は、である。柱にかかる垂直な力を軸力ともいう。

 部材にかかる力は、材の長さを縮めようとする圧縮力と、引き延 ばそうとする引張力が主なものである。曲げ力が働くときには、弓状になった凸部では引張が働いており、凹部では圧縮になっている。アーチは圧縮力だけで成り立っている構造体である。
 細い部材は圧縮力がかかると、座屈してしま うため圧縮には弱い。コンクリートのように塊状のもののほうが、圧縮力には強く抵抗する。

圧送(あっそう)

コンクリートミキサー車によって、建設現場に 搬送された生コンを、油圧により 所定の型枠内にパイプを経由して搬送すること。

 かつてはタワー状のクレーンで、コンクリー トをいれたバケツを吊り上げて所定の位置 まで運んでいた。ポンプ車による圧送が可能 になったので、打設の作業性・省力化が大幅に進んだ。しかし、コンクリートが流動的でなければ圧送できないので、コンクリートが柔らかくなる傾向があり、コンクリートの品質低下につながった。

参考=流動化剤

圧着張り(あっちゃくばり)

タイルを張る施工方法の一種で、モルタルを用いてタイルを 下地に貼る工法。外壁など雨掛かりにも適応し、モルタルを使うので湿式工法である。

 コンクリート下地に凹凸がある場合には、まずモルタルで下地を平滑にした後、タイルにも貼付けのためのモルタルを付けて張る。通常は下地に貼付けモルタルを薄塗りした後、タイルに貼付けモルタルをのせて、下地に揉み込むように押しつけて張る。

 団子張りのように モルタルをたくさん付けて張らずに、薄いモルタルだけで張るので、施工性が良く白華し難い。また下地とタイルの両方に貼付けモルタルを付けるので、後日の剥落・落下の危険性も少ない。団子張りに比べると施工が簡単なため、最近ではほとんどが圧着張りである。下地の平滑性が表面にでやすいため、下地を平滑にする必要がある。

圧密(あつみつ)

粘土地盤の上に荷重がかかることによって、土の間隙水がしぼり出され、時間の経過とともに土の体積が収縮していく現象をいう。

 圧密は不同沈下の原因となる。長年の建物の荷重が漬け物石のように働き、土中の水分が浸みだして、建物が傾くことにつながる。圧密によって地盤が下がることを圧密沈下という。 

 粘性土に含まれる水分が排出されるために起きる現象なので、完全に沈下が終わるまでには相当の時間がかかる。圧密沈下が予想される場所では、をつかった基礎にするなどの対策が必要である。

参考=ボーリング載荷試験

陽疾(反木)(あて)

木材の繊維が、他の部分とはちがって不均質で、不自然に曲がりくねった部分。

 傾斜面など特殊な生育条件下で育った木材に発生しやすく、他の部分に比べて色が濃く粘りがなく硬くなっている。アテのある木材が、市場に出ることは少ない。建築用材に不向きであるが、その木目をうまく使うと、おもしろいものが出来る。数寄屋造りなどで珍重されることもある。

後打ちアンカー(あとうちあんかー)

一般に部材を留めるために、コンクリートに設置するも のをアンカーと呼び、土台などの部材を基礎のコンクリートに固定する金物をアンカーボルトという。

 通常はコンクリートを打設前にアンカーを設置して、コンクリートと一体化する。しかし、何らかの事情で、コンクリートを打設してしまった後に、アンカーが必要になったときには、後打ちアンカーをつかうことになる。後打ちアンカーはコンクリートに穴を開けアンカーを固定するが、金属で地獄ボソとなっているタイプのホール イン アンカーと、薬品で接着固定するケミカル アンカーがある。
 後打ちアンカーは高価だし、施工にも手間がかかる。また施工が悪いと信頼度が低くなるので、やむを得ないときの緊急避難である。後施工アンカーとも言う。

アドべ・日乾し煉瓦(ひぼしれんが)

粘土を形などに詰めて直方体にし、天日にあてて乾燥させた建築資材。日干し煉瓦ともかく。

 煉瓦と言っても高温で焼成していないので、集中豪雨や長雨にさらされると、崩れ始める。しかし、乾燥さえさせてやれば耐久性があり、乾燥地方の建築資材として優れている。

 熱を蓄えるのに時間がかかるので、日乾し煉瓦で作った厚い壁は、昼間は室内を涼しく保つことができる。しかし、夜になって外気温が下がってきても、熱を発散させ続けるので室内は暑くなる。

穴開きルーフィング

アスファルト防水に使うアスファルト・ルーフィングの一種で、コンクリートなどの下地に防水層を部分接着させる絶縁工法に使用される。ロール状のルーフィングには、2センチ程度の穴が連続してあけてある。

 溶かしたアスファルトで接着(=流し貼り)するのは、一般的な密着工法と同じだが、全面に溶融アスファルトを流さないため、下地にクラックなどが生じても、下地の挙動と絶縁されているため、防水層が一緒に切れてしまうことがない。

アモネスタット

空調設備の室内吹出口の一種で、天井に設置したラッパ型の器具のこと。空調機本体からダクトで導かれた暖気や冷気が、ここから吹き出される。現場では、アネモと呼ばれる。
 
 アネモは羽根を数枚重ねたような形状で、吹出口から吹き出される空気が、放射線状になって拡散する。丸形と角形があるが、規模の大きい空調設備で使用され、木造住宅ではあまり使われない。

痘痕・気泡(あばた)

コンクリートが充分にまわらずに、空隙ができた部分。大きなものはジャンカと呼ぶ。小さなものは痘痕とか豆板とも呼ぶ。痘痕面からきた言葉だと思われ、コンクリート打込み時に巻き込んだ空気が型枠面に残って露出したもの。

 コンクリートを打設するとき には、型枠のなかにコンクリートを上から流しこんでいくが、棒で突いたりバイブレーターをかけないと隅々まで入っていかない。また、コンクリートが固練りで流動性が低いと廻りにくい。空隙ができてしまうと、その部分をハツッて補修する。しかし、コンクリートは一度固まってしまうと、後打ちのコンクリートとは一体化しないので、痘痕ができると欠陥部となってしまう。

 下の写真は、長さが60センチ以上もあり、痘痕と呼ぶには大きすぎる。表面に留まっていないので、ジャンカと呼ぶべきだろう。鉄筋も露出している。長年の雨にさらされて、鉄筋も錆びている。少なくとも補修はすべきである。

肋筋(あばらきん)スターラップ

材にかかる荷重のうち、材を断ち切るように働く力を剪断力という。鉄筋コンクリート造のでは、引張としてかかる力は鉄筋が負担している。引張力など曲げに抗する主筋に対して、剪断力を負担する鉄筋をアバラ筋とか、スターラップと呼ぶ。剪断補強筋の一種である。

 主筋よりも細い鉄筋で、主筋を取り囲むように配置する。その本数や間隔は構造計算によるが、おおむね250~300ミリ間隔である。ただし、木構造基礎では、上の主筋と下の主筋をつなぐように、縦に1本だけ配置されることが多い。
 柱にかかる剪断力を負担するのは、フープとか帯筋と呼ぶ。
参考:曲げ応力

暴れる

木材が乾燥のために伸びたり縮んだり変形すること。

 木材は伐採されて用材されても、生きているので伸縮をくり返して変形する。木材は長手方向にはあまり縮まないが、幅は大きく縮んだり伸びたりする。また、板材は凸状に反ることがある。
 木材の樹皮近くは水分が多く、大きく収縮するので、木口から見ると木表の方へ凹型に反りやすい。

 建築が完成した後は、なるべく動いて欲しくはない。木材は押さえたりして固定すると、暴れることは少なくなるので、暴れを防ぐために裏側に吸付き(桟)などを仕込んで、木材の動きを制御する=狂うる

アピトン

熱帯地方でとれる広葉樹で、ラワンに似た表面をした赤茶色で、古くなると濃くなる。重い木材で、芯(心)材辺材で、木肌や色の違いは少ない。合板やフローリングの材料となった。

 加工は容易でラワンと同じように、床材や壁材として使われた。しかし、あまり美しい木肌ではないので、化粧材には向かないかもしれない。南洋材の衰退と共に輸入が減ってきた。

鐙金物(あぶみかなもの)腰掛金物(こしかけかなもの)

が取りあう場合、ふつうは渡り顎兜蟻などで落としこんで緊結するが、小梁が大梁の上にのらないときには、鐙のような形の金物で受ける苦肉の納まりとすることがある。この時に使う金物を鐙金物とか、腰掛金物と呼ぶ。

 2材が取りあうと、多くは重ねることになるが、重ねた背(成)を低く 抑えたいときには便利である。主な構造部には使わないほうが良いだろう。

油砥石(あぶらといし)

ふつうの砥石が水を湿して使うのに対して、油を含ませて使うので油砥石と言われる。天然と合成のものがあるが、多く見るのは人造砥石である。

 形状は、マッチ箱大のものから、包丁研ぎに使う大きめのブロック形状などさまざまあり、きわめて硬い鋼を研ぐのに使う。油砥石自体も硬く減りにくく、型崩れしにくい。
 剃刀を研ぐのに床屋さんなどがつかったが、柔らかい刃物を使う木工作にはあまり関係がない。

アプローチ

道路際の門から路地を経て、玄関に至るまでの通路をいう。庭木が植えられ、庭園灯や足下灯などが設置される。

 アプローチのあり方で建物の印象は大きく左右されるが、建築職人や建築の設計者ではなく、植木屋とか庭園設計者が関わることが多い。
 アプローチという場合は、洋風住宅に使うことが多く、和風住宅にはあまり使わない。主として人の通行に意が用いられるため、車の通行やガレージの処理が難しい。また室内から門扉の開閉やインターホンの操作ができるようにするのはもちろんだが、新聞や郵便受けの納まりには注意が必要である。

雨押え(あまおさえ)

戸袋上、土台上などに、雨水がまわりこんで建物内に浸入しないように設ける部材のこと。木製の雨押さえの上には、剃刀と称する薄い金属板をおくことが多い。
 
 最近では外壁大壁納まりとして、外部に木材を使うこと が少なくなったので、木製の雨押さえが使われることは少なくなった。しかし、1階の屋根と2階の壁との取り合い部 には、いまだ雨仕舞いを考えておく必要 がある。そのため、1階の屋根の壁際に雨押さえを設置することが多い。
 下の図面では雨押さえをガルバリウム鋼板でつくっており、ブルーノ線で示すのは、壁内の通気と脱気口を考えたものである。

網入りガラス(あみいりがらす)

ガラスの中心に、鉄線の網状にあんだもの を入れたガラス。延焼の恐れのある外壁面のガラス窓に使用される。

 かつては平行な鉄線(パラライン)を入れるだけで、乙種防火戸に認定されたが、いまでは網入りガラスでないと認定されない。防火戸には網なしのファイヤーテンパーも使えるようになったが、まだ高価である。

 網入りガラスには、透明な磨き(ガラス)と不透明な型(板)ガラスがあるが、どちらも6.8ミリの厚さである。網入りガラスは火災にあっても、一度に崩落しないので延焼を防ぐが、防犯の役には立たない。下の右端の写真はパララインであり、現在では防火戸として認められていない。

 ガラスの木口から錆が進行しやすい。最近では、錆びないステンレス線を入れたものも市販されている。また、ガラスと鉄網の熱膨張率が違うので、熱割れをおこすことがある。

雨落ち(あまおち)

先から地面に垂直に降ろした部分を雨落ちと称する。

 雨落ち部分は雨水によって土が掘られたり、ハネが上がって壁が汚れてしまいがちである。そこで軒先には雨をとるため、多くは軒樋をつける。しかし、軒樋は枯れ葉がつまりやすく、また、雪で下がることが多い。そのため、軒先では雨水の処理をしないで、垂れ流しにして地上で雨水を処理する納まりがある。
 この場合には、雨水が跳ねても建物が汚れないように、下の写真のように玉砂利をしく。なお、玉砂利が逃げないように、古で止めている。なお、玉砂利の下にグレーチングを敷いて側溝にすると、上手い水処理となる。

雨掛かり(あまがかり)

建物の外部で、しかも雨で濡れる部分をいう。

 外部であっても、軒裏の下などは雨で濡れないため、防水性能を考える必要はない。そのため、仕上げに関しては意匠だけで決めることができる。しかし、雨掛かり部分は、水に濡れた場合のことを考えて決める必要がある。単に防水性能だけではなく、水に濡れたときに色などが変わることを考慮しておく。
 雨に濡れない部分と濡れる部分の境は目立つので、見え掛かり納まりに注意が必要である。

トロ・あま掛け・ノロ(引き)

セメントを水で溶いたもの。ノロともいう。

 モルタルはセメントにをまぜて水で練ったものだが、トロやノロは水だけで練ったものである。セメントペーストに同じである。

 流動状にして注ぎ込む場合にはトロということが多く、塗りつける場合にはノロと言うことが多い。また、あま掛けということもある。

 トロは敷きトロとして石やタイルの下に敷かれる。また、床に敷かれた石と石のあいだに流しこんで、石を固定するのにつかう。

 ノロ引きは左官工事として、コンクリートの表面に刷毛引きする作業で、下地調整でもあり仕上げであるときもある。樹脂をまぜた樹脂ノロを使ったりもする。

雨戸(あまど)

外部に面した開口部に建て込む建具で、開けると戸袋に収容するのを定法とする。かつては木製だったが、いまではアルミ製がほとんどである。通風採光をかんがえた雨戸も市販されている。雨戸の溝はモロ溝とする。

 台風などの強風で、窓ガラスや障子が破損するのを防ぎ、そのほか防犯や防火の役割を果たす。また、雨戸があると暖房効果も高くなる。

 延焼の恐れのある範囲(1階は 敷地境界から3メートル、2階は5メートル)では、 開口部に乙種防火戸の設置が義務付けら れており、ガラスは網入りガラスでなければならない。しかし、雨戸を設置すると、ふつうのガラスでOKである。
 最近では雨戸の代わりにシャッターを設置する例も増えてきた。
参考=雨戸廻し

雨戸廻し(あまどまわし)

一直線に走る雨戸を、直角 に曲げるために一筋溝のかどにつける金物。矩手(かねて)の廊下の出隅につける。

 一筋の角を中心にして、一筋の土手である樋端を雨戸の半分の長さだけ溝の高さまで切り欠き、雨戸廻しを中心にして雨戸を90度回転させるために使う。

 下の写真は下の一筋に付ける金物で、上部にも同様の金物をつける。この金物があるために、雨戸は溝から外れないで回転できるが、回転中は不安定になるので、実際に雨戸を廻すには細心の注意が必要である。

雨漏り(あまもり)

室内に雨水が浸入すること。

 木造軸組工法では雨漏りの箇所はわかりやすく、対処も容易なことが多い。屋根からの場合は、平瓦部分からと言うことは少なく、役(曲)物付近を疑ってみるべきだろう。外壁からであれば、霧除け(庇)サッシ廻りであることが多い。

 鉄筋コンクリート造の建物では、雨漏りの原因を特定することはきわめて難しい。コンクリート内部の鉄筋を伝って、雨水の浸入した場所から離れた場所で、雨漏りとなって現れる。

網戸(あみど)

外部に面した開口部に建て込む建具で、サランネットを張った虫除けである。

 ガラス窓を開けても、網戸を閉めれば通風をはかりながら、虫の侵入を防げる。蚊帳を使わなくなった現在、ほぼすべての開口部に設置される。
 アルミサッシが定番となった昨今では、網戸はオプションではなく最初から付いているものとなった。

 引き違い(戸)の開口部には片側分1枚を設置する。横引の開口部には網戸を設置しやすいが、開き戸用の網戸は窓建具自体に組みこんだり、窓枠に付ける上下式になったりするので壊れやすい場合が多い。
 網戸は経年劣化によりサランネットの張替が必要になる。

雨仕舞い(あまじまい)

屋根にかぎらず外壁から、雨が建物の内部に浸透しないようにする工事の方法をいう。

 木造住宅では通常、屋根の平の部分や平らな外壁から雨漏りすることはなく、屋根の場合は、端部、トップ ライト廻りなど、外壁の場合は1階屋根との取り合い部など、いずれも2つの部材が絡む部分が雨水の浸入経路になることが多い。

 雨水の浸入しやすそうな箇所には、下地にアス ファルト・フェルト捨て張りしたり、雨押さえを設けたり剃刀を入れたりして、コロニアルの下に雨水が入っても、外部へと排出されるような納まりにすべきである。
 むやみにコーキングをうって、外部へと排出する水道(みずみち)を、塞いでしまわないよう注意する必要がある。

歩み板(あゆみいた)

工事現場の中で、通行のために敷かれる幅が約240~300センチ長さ3.6メートル程度の仮設足場板のこと。

 かつては木材が豊富にあった時代には、210幅の杉板が軽いので使われていた。やがて無垢材が高価になって、重いベニヤ製に変わり、現在ではアルミ製が使われている。また、下の写真のようにスチールのメッシュの足場も使われている。

 杉板の足場板は歩きやすく、道具が傷まないので使いやすいが、維持管理に神経を使う。
類語=道板

洗い(あらい)

灰汁洗いをふくめて、すでに建築に使われている木材を、リフレッシュすることを<洗い>とか<洗う>いう。また、<清める>ということもある。洗う工事を行う職人を洗い屋という。
 
 水やお湯などだけではなく、薬品や灰の上澄み液をつかって、刷毛で木部に塗りこんで洗う。擦ることはないので木材を傷つけることなく、細かい部分にも清掃の手が入る。そして、仕上げに椿油を塗りこんで、艶出しを行う。
 新築時の引き渡し前に行う清掃は、クリーニングとか美装と言われており、昔からの特殊技術ではない。

 タイル目地を洗う=清掃するのは、酸洗いという。

洗い落とし(あらいおとし)

水洗便器の様式のひとつ。洗い落とし式便器という。

 洋便(洋式便器)は、汚物の流し方にサイホン(式便器)など何種類かある。洗い落とし式は初期の頃に登場した形式で、タンクから出た水の落差の流水作用で、汚物を押し流すものだった。
 水のたまっている面が狭く、汚物が直接に便器にとどまるので、汚れが残りやすく臭気も防ぎにくかった。また流水音も大きかった。構造が単純で、いまでは一番安価な便器となっている。

 洗い落とし式という洗浄様式は、列車型和式便器では今でも使われている。洗い出し式と言われることもある。

洗い砂(あらいすな)

川や山で採取したを水に通したもの。

 川や山にある砂は、粉のような細かい粒子やゴミも混じっている。そうした不純物を取り除くために、製品として出荷される砂は流水をくぐらせている。
 採取した砂を流水にくぐらせることを、洗うと言う。市場に出ている砂はすべて洗われていると考えて良い。

 コンクリートモルタルに混入される砂は、すべて洗い砂であるから、特別に洗い砂といわずに砂とだけいっている。

洗い出し(あらいだし)

種石を入れたモルタルを塗り、表面が半ば乾燥してきたら、表面のモルタルを弱い水で流しながらブラシで洗い流し、種石を見せた左官仕上げ。

 砂利やビー玉・タイル片など種石の種類によって、また水を流すタイミングなどによって、様々な表情が得られる。かつては和風の定番仕上げだったが、最近では種石の種類によって洋風の洗い出しも見られる。

 タイルなどの張り物に比べると手間がかかることや、環境への配慮からモルタルを洗い流す水の処理ができなくなってきたので、最近では施工されることが減った。
 施工後に水をつかって洗わなくても、似たような仕上げになる樹脂舗装材も市販されている。

荒(粗)木(あらき)

製材されただけで表面がガサガサ状態にあり、人の手や眼に触れないところに使用される木材のこと。製材前の丸太は、荒木といわずに原木ということが多い。

 木材は構造材と化粧材に化粧材に大別され、人の目に触れる化粧材は木肌木理の美しものが用いられるが、構造材は建築物の骨組みを支えてくれれば良く美しさは求められないので、角材や板材に製材しただけの荒木の状態で使用する。

 板物の荒木はベニヤに代替され、柱などの角材は化粧材が集成材に変わりつつあるが、構造材は荒木のままが多い。

荒木田(あらきだ)

土壁の下塗りに使用する土のこと。土壁の芯となるのは、竹などを割り裂いた木舞を使ったので、木舞に絡みつく粘りのある土が適していた。

 荒木田原から採れた土が適していたので、この名前が付いたと思われるが、一般に土壁下地に使う土を荒木田という。田んぼの泥土の下のほうの土など、各地の適した泥土が使われ、現場で足踏みなどをして、よく練って使用した。
 土壁が少なくなり、木舞はラスボード下地に代替されてしまったので、荒木田を使うことはなくなった。
 
 園芸などで使われる荒木田も、現在ではビニールの袋詰めになっている。

粗(乱)し(あらし

の小幅板(厚さ12ミリ、幅60ミリ程度)などを、ラス板として使う場合、ラス板を斜めに張って構造耐力の一部を担わせた状態、または張り方。

 外壁にモルタルを下塗りする場合、ラス板かラスカ ットを使うことになるが、ラスカットは合板を芯材と しているので構造用合板と同じように構造耐力を期待することができる。それに対して、ラス板は小幅板なので構造材としては期待できないが、斜めに張ることによって計算外の構造耐力を生みだすことができる。
 斜めに張るのは手間だし、材料が無駄になるので,通常は粗しに張ることはしない。下の図は粗しに張っており、継手も乱になるように互い違いにしており、丁寧な仕事の例である。

荒シコ(鉋)(あらしこ・かんな)

製材しただけの状態である荒(粗)木に、最初に使用するのこと。

 仕上げの程度が上がっていくにつれ、中シコ→上シコ(合わ鉋)と鉋の呼び名が変わる。しかし、鉋そのものに違いがあるわけではなく、木材と接する面の仕立てかたや刃の作り方に違いがあるに過ぎない。そのため、各職人が使い勝手にしたがって、各自が使い分け、かつ呼び分けている。

 荒シコは、凹凸の激しい表面を削るので、刃を多めにだして使う。そのため、鉋を引くときの抵抗が大きいので、中シコ以上が1寸8分(54ミリ)幅であるのに対して、1寸6分(48ミリ)幅の狭い鉋がもちいられることもある。
 荒シコの鉋下端はほぼ平らで、上シコになるにしたがって、鉋下端の隙取りを大きくしていく。材のような角材は荒シコ→中シコ→上シコ(合わ鉋)と仕上げていくが、薄い板材は鉋での入念な仕上げに適さず、板が反ったりして荒シコ→中シコの2枚で止めることが多かった。

参照=鉋(カンナ)

荒砥(あらと)

砥石の中でも最も目の荒い物。

 のように鋭利な刃物は、切れ味が落ちると、中砥→合せ砥の順に研ぐ。荒砥をつかうのは、刃こぼれしたような場合に限る。そのため、荒砥を使う機会は少ない。

 荒砥は刃の切れ味には関係なく、刃線を整えるだけだから、人造砥石で充分である。

荒(粗)物(あらもの)

人の手や眼に触れるところには使用されないもの、もしくはその部分の仕事のこと。荒仕事ともいう。

 かつて大工仕事は、上棟(式)前までの刻み仕事 と、内法などの取付といった造作仕事に大別されていた。荒物と は、主として上棟までに加工される土台大壁部分の母屋などをいい、現在ではプレカットになっている。
 荒(粗) 床野地板に使われた杉板 なども、荒物に分類されたが、現在では合板に置きかわっている。そのため、削って仕上げることのない材を荒物というのであろう。

荒(粗)床(あらゆか)

仕上がり前の床で、その上に仕上げ材を張って引渡しの状態になる。完成状態にはない床で、通常、土足で歩くことが許されている。

 木造建築では敷きの部屋とフローリングの部屋に大別されるが、いずれも仕上げ材とは別の材を捨て張りする。仕上げ材によって隠れてしまう床を、荒床とよんだ。かつては杉材などを使っていたが、 現在では合板を使うようになった。一種の床下地である。
 ベタ基礎にするとコンクリート土間ができるが、コンクリートのどまは荒床といわないことが多い。

反対語=化粧床

現し(あらわし)

ふつうは仕上げ材によって隠蔽してしまう構造部分を、露出させる仕上げを現しとか、現し仕上げという。

 たとえば、天井をはらずに小屋裏をみせると、小屋裏現 しとなるし、二階根太をみせると根太現しになる。ま た、垂木をみせると垂木現しという。
 隠蔽となる部分は構造耐力を満たせば良いので、荒(粗)木のまま使うことが普通である。しかし、現しにすると化粧になることから、で削ったりする精巧な工作が要求されて、天井を張るよりも高価になりがちである。
 構造を見せるために、素朴でかつ豪放な雰囲気となり、民家風の仕上 げのときに使われることが多い。

蟻壁(ありかべ)

天井が高くなったときに、鴨居と天井の間にまわる蟻長押と天井の間の壁のこと。漆喰塗りとすることが多い。

 8~10畳以上の書院建築に使われる。部屋の広さに応じて高くなった天井によって、間延びした感じになるのを押さえてくれる。また天井の造形がの位置から解放され、竿縁格天井の割り込みが楽になる。柱面や束面より出るのを定法とする。
 匠総合事務所では、蟻壁の部分を照明ボックスとして、蛍光灯を仕込んだことがある。

蟻(継ぎ)蟻(ホゾ)

逆ハの字状になった状態を<蟻>と呼び、逆ハの字状のホゾを蟻ホゾという。蟻をつかった仕口を蟻継ぎという。

 蟻継ぎはもっとも簡単な仕口だが、上もしくは横から滑り込ませてあるので、確実な接合である。蟻継ぎを継手に使うこともあるが、継手が伸びやすいので薦められない。

 下の図は土台などに使われ る蟻継ぎで、A材が女木(めぎ)であり、B材が男木(おぎ)で ある。女木は平行にホゾを掘るが、男木はやや下窄まりにつくると、入るに従ってホゾがきつくなって作業性が良い。なお男木の下端面取りしておく。

蟻長押(ありなげし)

書院建築や社寺建築などで、高い天井鴨居の間にまわる長押のこと。

 かつて長押は化粧材でありかつ構造材でもあったが、今日の書院建築では化粧材となっており、室内に見える2面のみを仕上げとしている。蟻長押は鴨居につく内法長押より背(成)が低く、廻り縁より背が高いほうが納まりが良い。

類語=天井長押、内法長押、腰長押、地長押

蟻溝(ありみぞ)

断面が逆ハの字状になった溝を蟻溝といい、相手になるにした<ほぞ>を横から滑り込ませて、抜けないようにした工作に使う。繊維に直角に溝を切ってつくる。

 幅広板を固定するための手がかりとしたり、反り止めとして用いられる。平行な溝とはしないで、いくらか先窄まりの溝として、ホゾを3分の2くらい差し込んでから効くように作ると作業性が良い。

 蟻溝を作ると、溝の部分の板厚が薄くなり、そこで反りやすくなるので、一種の逃げ(仕事)でもある。部材に応じた蟻溝の深さを決めるのが難しい。
 吸付き(溝)ともいい、相手になるホゾを吸付き桟という。

参考=吸付き(桟)

 

アール壁(あーるかべ)

曲線で構成された壁のこと。

アコーディオンドア

アコーディオン式にたためるドアのこと。脱衣室などに取付けるビニール製の簡易なものや、居間と食堂などを間仕切る数枚の戸で構成されるものなどがある。

アルカリ骨材反応(こつざいはんのう)

コンクリートの中のアルカリ性の水分が、砂利などの骨材と結びついて、膨張したりヒビ割れたりする現象。

 コンクリートはアルカリから中性化していくが、表面から進むためヒビ割れが発生しても、内部には達していないことがある。

 アルカリ骨材反応によって、コンクリートの表面に細かいビリ①が発生するが、鉄筋の状態によってヒビ割れが生じたのか、どちらか判断がつきにくいことが多い。

 劣化したコンクリート部分をハツリ取って、新しいコンクリートを打ったり、FRPにより補強を行うなどの対策が取られる。

 生コンに入るシリカ分が制限されたので、最近の生コンではアルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化は見られなくなった。

アルコーブ

部屋や廊下の一部を凹ませた部分で、人が入ったり通れたりする大きさがあるもの。<alcove> 
 窓が内外の区切りであるのに対して、室内にありながら凹状に窪んだ部分で、人間が入れる以上の大きさをもつもの。日本建築では見ない。

 最近では、マンションなどの玄関を引っ込めた部分を、アルコーブと呼ぶことが多い。マンションの玄関扉は外開きになることが多いので、開いたときに通行している人に当たらないよう凹状に引っ込めた部分。

RC(講)造(あーるしーこうぞう)

Reinforced Concrete Construction の頭文字を取ったもので、鉄筋コンクリート構造のこと。多くは大規模な建築にもちいられ、まれに住宅建築にも使用される。ただし、地面に接する基礎は、住宅建築でも鉄筋コンクリートである。

 篭状にくんだ鉄筋を、コンクリートで被覆した構造で、両者の膨張率がほぼ等しいことから一体化され、引張強度を鉄筋が負担し、圧縮をコンクリートが負担する。柱梁と床スラブをもつラーメン(構造)と、壁と床スラブからなる壁式(構造)がある。

アルミサッシ

サッシとは、枠として用いる建材のことをいい、アルミをつかった窓をアルミサッシという。また最近では、窓枠を用いた建具であるアルミサッシを、たんにサッシと呼ぶことも多い。

 アルミサッシは、窓枠とガラスを嵌めた可動部分が一式になって、現場へ搬入される。また、網戸が付属するのが、ふつうである。
 木造住宅に使われるアルミサッシは、近年、規格が統一された。大きさに関して、規格外のサイズは、切り詰め注文することができる。
 見込み寸法は70ミリで、建築との取りあいは、内付け半外付け外付けとある。また、既存のアルミサッシの室内側に付けるインナーサッシも普及してきた。
 鉄筋コンクリートおよび鉄骨造の建物に使用するアルミサッシは、すべて注文方式で既製品はない。

合わせガラス

2枚のガラスを貼り合わせたガラスの総称で、割れにくい安全なガラスの別称でもある。

 通常いわれる合わせガラスは、0.76ミリの特殊フィルムを両側から、ガラスで挟んだもので、貫通を防ぐ安全効果をがある。ガラスと特殊フィルムが一体化しているため、地震や衝撃などで万一破損しても、破片が飛び散ったり脱落しにい。防犯ガラスとか防災ガラスと呼ばれることもある。 
 挟むフィルムによって、紫外線カットや防音効果などが期待できる。

合せ(鉋)(あわせがんな)

① 合わせるとは揃えるとか、調子を整えるという意味から転じて、仕上げという意味にも使われている。

 合せ鉋といえば、仕上げに使う鉋のことで、荒シコ(鉋)、中シコ(鉋)ときて、仕上げには合せ鉋(=上シコ鉋)を使う。荒シコ鉋→合せ鉋になるに従って、材に付く面が平らになっていく。いずれの鉋も鉋自体が違うわけではなく、刃の出し方や台の仕立て方が違うだけである。
 また、砥石も荒砥、中砥、ときて仕上げ砥とはいわずに、合せ砥という。 

② 裏金のついたのことをいうこともある。

合わ砥(あわど)

荒砥、中砥(なかど)ときて、仕上げの研ぎに使う砥石のこと。仕上げ砥ともいう。

 青砥や白砥などの天然中砥は早く人造砥石に替わったが、切れ味を決める合せ砥は、天然の砥石が長く使われてきた。天然の仕上げ砥は凍害によわい。冬季に使用したときには、凍結を防ぐために水気をきって、室内で保管したほうが良い。

 最近では、人造砥石も性能が上がって普及している。おおむね4000~10000番くらいの細かい粒子をもっているものが、合せ砥として使われる。 

 天然・人造砥石いずれも砥糞が研磨剤になるので、砥糞を流さないようにして研ぐ。

合せ梁(あわせばり)

① 1本のでは強度が不足するときに、上下に梁を重ねて用いること、もしくは重ねた梁のこと。重ね梁とか、合成梁ともいう。
 上下の梁をボルトで貫通して結合することが多い。下の梁を、力桁とよぶこともある。また、梁より幅が狭いと力板と呼ぶ。
参照=平行弦トラス

② 薄い板材やCチャンを梁として使い、の両側に抱かせてボルトで締めたもの。1階が店舗で、2階が住宅などの、木造軸組工法で使われることが多い。

③ 下の写真のように、薄い板や細い部材を、接着して背(成)を増した梁のこと

アンカーボルト

基礎土台を繋いでいる直径15ミリ、長さ550ミリ程度の鉄製のボルトのこと。

 先端はU字もしくはL字状にフックが突いており、基礎のコンクリートから抜けにくくなっている。基礎の中には250ミリ以上、上には120~150ミリほど出し、基礎の2~3メートル間隔に設ける。
 基礎の上にだす長さと土台の高さとを事前に調整して、ナットの廻し代が適切になるようにしておくと良い。特に根子を使うときには、根子の分を計算に入れ忘れると、後で土台を彫り込むことになってしまう。

暗渠(あんきょ)

上部に蓋をされたり、地中に埋設された水路のこと。

 道路脇の側溝程度の大きさのものよりも、やや大規模な水路を対象にした言葉。住宅が建築される場所では、水道水のための暗渠は少なく、多くは排水用である。
 当初、蓋のされていなかったものが、歩行など上を使用するために、暗渠となったものもある。また、最初から排水管を埋設されて暗渠となったものもある。
類語=開渠(かいきょ)

アングル・等辺山形鋼(とうへんやまがたこう)

角度のことをアングルというが、左右の長さが等しい直角断面のものをアングルと俗称するようになった。

 鋼材について使われ、直角の断面を持ち左右の長さが等しい山形鋼のことをアングルという。等辺山形鋼に同じ。大小さまざまなサイズがある。片方が長い物は、不等辺アングルという。
 プラスチック製のアングルもあり、樹脂アングルと呼ばれる。サッ シの下部に取りつけて、室内仕上げ材との見切りとして使われる。

安全条例(あんぜんじょうれい)

各地の自治体が独自に決めた建築に関する条例のこと。

 建築基準法や建築基準法施行は、全国を対象にした法律である。そのため、自治体によっては不都合な規定がある。
 そこで、各自治体の事情に適合する規則を作って、建築物の規制にのりだした。東京都などの安全条例が有名だが、多くは基準法より厳しい規制がかかっている。
 建築確認申請の審査では、安全条例に適合していることが要求される。

アンコ

詰め物のこと。

 本来の仕様にはなかったが、一部が足りなかったとかの場合に、何か詰め物をすること。

 コンクリートに複雑な欠き込みなどを作るときに、コンクリートが廻らないように型枠に取り付ける部材のこと。

 穴開けのための箱抜きは木材などで枠組みをして、コンクリートの完成後には外してしまうが、アンコはもっと不定型な詰め物である。

 時によると、箱抜きのこともアンコということがある。

鮟鱇(あんこう)

軒樋から縦樋へと移行する部分に、設置する集水枡の通称。アンコウを吊したときの姿に、似ているから付いたものと思われる。

 樋がトタンや銅板で作られていたときには必需品だったが、最近では塩ビ、ガルバリウム鋼板やステンレス製の樋になり、軒樋から縦樋に直結するようになって、アンコウの形に似たものは見かけなくなってしまった。
 軒樋から縦樋への接続部の部品は、現在では集水器とか集水升と呼ばれるほうが多い。

安全率(あんぜんりつ)

構造設計において、材料の基準強さと許容応力との比を安全率といい、材料の基準強さを許容応力で割ったもの。

 材質の経年劣化や使用される環境の違い、建築後に想定外の使われ方をされるなど、設計の前提と建築後の実際は一致するとは限らない。設計者の想定する使われ方は不確実性を含んでいる。そのため、実際にはある程度の余裕をもって設計されるが、その余裕分が安全率である。
 安全率を高く設定することは、設計時の想定が少なくしか現実に及んでいないことであり、必ずしも自慢できることではない。

アンダーカット

24時間換気に対応するための方法の1つで、居室の空気を廊下を経由して、換気設備へと導いてやるため、出入り口の建具を10ミリ程度切り欠くこと、または切り欠いた部分。

 開き戸の場合には、扉を切り欠かずに床から10ミリ離して、釣り込めば良い。しかし、子供が足先を挟む事故が起きているので、下図のようにカットするとよい。
 引き戸では扉の隙間から換気されるので不要である。また、開き戸であっても居室に換気装置を付けて、各居室単位で換気すれば、このアンダーカットは不要である。

アンダーフェルト

カーペットの断熱性、防音性をたかめ、歩行時のクッションを和らげるために、カーペットの下に敷くフェルトのこと。

 機械織りのカーペットではアンダーフェルトを敷かないと歩行時のクッション性が悪い。そのため、グリッパー工法で施工するようなタイプのカーペットには必須のもので、床に部分的に弱い接着剤を塗り、アンダーフェルトが動かないようにする。カーペットの施工単価には、アンダーフェルトが含まれていることが多い。

安定角(あんていかく)

土を放置した場合に、自然に崩れださない角度を安定角という。(土木では安息角というらしい) おおよそ30°とされており、法(面)にこの角度が確保されているかぎり、擁壁などは設けなくてもすむ。

  粘性土と砂質土では安定角は異なっている。また岩盤が露出したような場合は、より急角度であっても崩落の危険性は少ない。しかし、この角度を超えたものは、すべてあつかいとなり、建築確認を取るためには何らかの対策が必要になる。

安定器(あんていき)

蛍光灯のランプに点灯するとき、放電を開始しまた放電を安定的に維持するために使う器具で、多くは蛍光灯に内蔵されている。磁気式安定器(スタータ式とラピッドスタート式がある)と電子式安定器がある。

 安定器からはごく小さな音がでているので、蛍光灯をまとめて使うときには注意が必要である。また、安定器をランプと別置きにするときも、安定器の音が板などに反響して大きくならないよう、設置場所には注意が必要である。

アンテナ

電波を受けたり発したりする器具。

 住宅で使われるアンテナは、もっぱら電波を受けるものであり、屋根など高所に取り付ける例が多い。
 アンテナからブースターへと電線を導き、何台か受像器が
あるときには、分配器を挟んで配線することになる。ブースターや分配器には電源が必要になることがある。

 にアンテナを立てる場合は、棟をまたいで馬②をたて、その上にアンテナの支柱を立てる。この場合には、4方向にを確実に張らないと、強風で倒れたり、回転したりしてしまう。

 アンテナは電波の飛んでくる方向に向けなければならず、強風や台風などでアンテナが動いてしまうと、テレビの映りが悪くなる。

 アンテナが低くても良い場合には、破風(不)板に取り付けることもある。

行灯部屋(あんどんべや)

窓のまったくない部屋のこと。

 無窓の部屋を居室にすることは、建築基準法では禁止されている。しかし、納戸や物置 であれば、無窓の部屋も可能である。また、隣室となどの引き戸で仕切られていれば、隣室と2室で1室 と見なされて、隣室に充分な開口部があれば建築が可能である。

 納戸や物置の広さは上限が法定されていないため、広い納戸を計画したりする。しかし、完成後に居室に転用される恐れがあるので、納戸をどの程度の広さまで認めるか、建築確認をとる時に建築主事と争いになることがある。

案内図(あんないず)

建築物の建築場所までの経路などをあらわした図面で、設計図書の一部として、建築確認申請時に要求されている図面。著名な場所からの経路で良く、案内図の詳細は法定されていない。

 縮尺の表記は不要で、下の図のような見取り図でも良い。しかし、方位など記載すべき情報が決められている。最近では、グーグルなどネットからの地図を使うことが多い。

アンペア

電気の流れる量の単位。Aであらわす。100Vの場合、おおむね1KWで10Aである 。

 住宅の電気は、家庭で使用する電気量に応じて、アンペア契約となっている例が多い。受電後に分電盤へと電気は流れるが、分電盤に取り付けられているアンペアブレーカーの色や数字で、契約アンペアがわかる。

赤色-10A、桃色-15A、黄色-20A、緑色-30A、
灰色-40A、茶色-50A、紫色-60A

 契約アンペアによって基本料金が、10Aの280円/月~
60Aの1684円/月まで違ってくる。(東京電力の場合)
 多くの家電製品を使うからといって、大きなアンペアで契約すると電気料も高くなる。

アンボンド工法

アンボンド工法とは、床スラブ内部にあらかじめアンボンドPC鋼材を通し、引張る力を与えることによって、床スラブの強度を増す工法のこと。

 コンクリート打設後に引張力を解放すると、コンクリートに圧縮力がかかり、床スラブがたわんだり振動し難くなる。これを利用して、小梁のない平らな床構造が可能となる。
 ただし、床全体の振動や遮音性は落ちてしまうため、その分だけ床スラブは厚くしないとクレームの原因になる。